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CTスキャンとラドン変換

発行:エスオーエル株式会社
http://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2011年1月10日号 VOL.003

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
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あけましておめでとうございます。
昨年は弊社メールマガジンをご愛読頂き、ありがとうございました。
本年も変わらぬお引立てのほど、宜しくお願い申し上げます。


最近、世の中の動きが活発になってきているようで、
弊社へ寄せられるお問い合わせにも様々な変化や特徴が感じられます。

X線CT装置 TomoScope についてのお問い合わせも多く、
TomoScope が複雑形状の寸法測定や、リバースエンジニアリングにおいて、
かなり有効に使えるという実例も増えています。

特に、他では得られない鮮明な像、高分解能、信頼できる寸法精度には
定評があり、TomoScopeはどうしてこんな事ができるのか、
(或いは逆に、なぜ一般には困難なのか)
短時間で簡単にお伝えするのが難しい部分も多々あります。

そこで、普段は細かく説明しないような原理や背景を
メールマガジンの場を借りてお伝えしようかと思います。


今回は、CTスキャンと関係の深いラドン変換に触れてみます。

ドイツのレントゲンが1895年にX線を発見してから、
X線CTが登場するのは1970年頃になりますが、
その数学的原理が発見されたのは、1917年のラドンによるものです。

ラドンが証明したことを大まかに言うと、
「三次元物体の投影データをたくさん集めると、元の物体形状が一意的に再現できる」
というものです。

ここで言う、投影データを g(X,Z,θ) としましょう。
あるθでの X-Z平面への投影が g(X,Z,θ) という関数として得られています。

このとき、各θにおける g(X,Z,θ) をたくさん集めると、
元の三次元物体 f(x,y,z) が再現できて、(計算間違えをしなければ)
その答えは一つで、別の形になることはないということです。


その様子を少し見るために、2次元で考えてみましょう。

三次元物体 f(x,y,z) を z=0 で見て、二次元物体 f(x,y) を考えます。
X線CTを考えると、この関数 f はX線の減衰係数の分布になります。
均一な物質でできた物体ならば、
  f(物体の中) = 定数μ,
  f(物体の外) = 0
という具合にできますが、今は一般のfを考えます。

さて、投影スクリーンを X-Z平面としましたが、今はX軸への投影を考えます。
物体の直交座標系(x,y,z)と原点が同じで、角度θだけ回転した直交座標系(X,Y,Z)は、

  x = X cosθ - Y sinθ,
  y = X sinθ + Y cosθ

という関係を持ちます。

X線は、入射強度 I0 としたとき、xの距離を透過するときの強度 I は、
(微分方程式 dI/dx = -μI の解として、)
I = I0 exp(-μx) と表されます。
今の場合に適用して考えると、μx に対応するものが ∫f(x,y)dY になり、

  I(X,θ) = I0 exp[-∫f(x,y)dY]

と書けます。ただし、積分範囲は (-∞,∞) とします。
(今の設定では、X線が物体f(x,y)中をY方向に進むので、こうなります。)

ここで、X線強度減衰率 I/I0 の対数を取ることで、g(X,θ) を表すことができ、

  g(X,θ) = -log(I/I0) = ∫f(x,y)dY

と書けます。
ラドン変換とは、f(x,y) を g(X,θ) に変換すること、つまり、

  g(X,θ) = ∫f(X cosθ - Y sinθ, X sinθ + Y cosθ)dY

です。


ここまでで、X線CT装置が得るデータ g(X,θ) が
f(x,y) のラドン変換になっていることを見ました。
問題はここからです。
X線CT装置が計算すべきは、得た g(X,θ) から f(x,y) を計算することです。
つまり、ラドン変換の逆問題を解くことが f の再構成となります。

次回は実際に、一般の g(X,θ) から f(x,y) が計算できて、
解ける様子を見てみましょう。

--
高野智暢


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