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2015.04.02

A-0048. 対称性と群と測定機 — TT

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対称性と群と測定機

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2015年4月29日号 VOL.048

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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皆さん、こんにちは。
連休のシーズンになりましたが、如何お過ごしでしょうか?

私は、4月中目一杯一つの仕事にかかりっきりでしたので、
連休中何をするか、これからリストアップし、計画を立てます。
たぶん、今年の連休は旅行には行かないと思います。

4月中は、アメリカのソフトウェアエンジニアと
ほとんど行動を共にしていました。
月曜日~金曜日は一緒に仕事をし、休日は観光に行きました。

富士山周辺や、鎌倉、横浜に行きました。
また、私の実家にも何泊かしてもらい、
立山周辺や黒部峡谷にも行ってきました。

仕事も無事完了し、たくさん旅行もし、晴やかな気分なので、
連休は別のことを考えます。


さて、今回のタイトルの「対称性と群」のお話ですが、
以前から、いつかはメルマガで触れようと思いつつ、
どんな切り口で始めようか考えていました。

この話題だけでおそらく膨大な数のメルマガを配信できてしまいますが、
弊社の仕事との関係に触れながら、
難しくなり過ぎない加減を考えながら、書いていこうと思います。

数学が趣味という人はなかなか珍しいようですが、
それでも日本全体で見るとかなりの人数がいるようです。
和算の頃の話を聞いても、
日本人には昔から数学好きが比較的多いのかもしれません。


「群」という数学的アイデアを導入したガロアという数学者がいて、
その人の名前の付いた「ガロア理論」というものがあります。

その理論に関する非常に優れた専門書や解説書が数多くある中、
それでも日本語の一般向けの解説書が新しく出版され続けています。

数学ファンにとってガロア理論は、一つの到達点であり、
ガロアの人生や当時の歴史的背景も合わせて、人気があります。


群の理論を端的に言ってしまうと、
対称性を調べる理論です。

19世紀のクラインという数学者は、
幾何学を全て群の言葉で書き直すという方針を立て、
一大ブームを作り上げました。

例えば、三角形は、120°回転するごとに、最初の状態に重なります。
四角形の場合は、90°ごとです。


さて、測定機で何かを測定するとき、
置き方を変えても測定値が変化しないことが求められます。

実際には、様々な要因が関与するため、
測定値が全く変化しないというのは、非常に難しいですが、
それでもそれらの要因を一つずつ検討し、
理想の状態に近づける努力が必要です。

弊社の測定機でいうと、フォトマスクと呼ばれる測定物
(正方形のガラス板で、高平坦度を持つ半導体関連材料)
を測定する場面で対称性が問題になります。

測定物を90°ごと回転させると、表面形状も一緒に回転しますが、
平面度(TIR)の測定値は、不変になっていて欲しいのです。

でも、地球上で測定する限り、重力が常にその対称性を破ろうとします。

我々は、この問題を長年かけて解決してきました。
私も入社当初は、この開発のデータ取りを手伝うところから始まりました。

必ずしも群の理論を知っている必要はありませんが、
対称性の考え方は非常に重要になります。


今回は、書こうと思っていた内容まで到達できませんでしたが、
この辺で筆を置き(キーボードのタイプを終え、)
次回以降、気軽に読んでもらえそうな内容を少しずつご紹介していきます。


--
高野智暢


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