logo

logo

メールマガジン・新着情報一覧

  1. TOP
  2. メールマガジン・新着情報一覧
  3. A-0064. 三次元測定機の空間精度E測定 — TT

2016.11.09

A-0064. 三次元測定機の空間精度E測定 — TT

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
 
三次元測定機の空間精度E測定 
 
発行:エスオーエル株式会社 
https://www.sol-j.co.jp/ 
 
連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 
2016年11月9日号 VOL.064 
 
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 
X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 
無料にてメールマガジンを配信いたしております。 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
 
 
 
今回は、三次元測定機の空間精度E測定について、書きたいと思います。 
(以前は、E3と呼んでいました。) 
 
E1は、X軸やY軸の1軸のみを動かしたときの精度、 
E2は、X軸とY軸を同時に動かしたときの精度、 
そして、EはXYZ軸全てを動かしたときの精度です。 
 
Z軸は、センサーの付いている方向であり、 
重力を受けながら動く方向なので、 
その方向の精度を特別に E1Z と呼ぶこともあります。 
 
この辺りの定義は、ISO 10360 に細かく決められていて、 
厳密に書き始めると少々ややこしくなってしまいます。 
でも、厳密に規定してあるので、安心して使えるのです。 
 
空間精度を測定する時には、 
「7方向×5水準×3回繰返し」 
というお約束があります。 
 
まずは、接触式三次元測定機をイメージして下さい。 
 
7方向のうち、必須の方向は、E測定にあたる 
空間の対角4方向です。 
つまり、 
 ・左後下 → 右前上 
 ・左前下 → 右後上 
 ・右後下 → 左前上 
 ・右前下 → 左後上 
です。 
 
7方向のうち、残りの3方向は、E1測定にあたる 
X、Y、Z の各軸に沿った方向が規定です。 
 
5水準というのは、5種類の長さを測定しなさいということです。 
 
 
Werth の測定機は、接触式だけでなく、 
非接触の様々なセンサーや画像処理カメラ、X線CTもあります。 
 
一般的な接触式三次元測定機の考え方をベースに、 
もっと多くのことを知っておく必要があります。 
 
 
では、画像処理三次元測定機を考えます。 
 
画像処理は、接触式に比べて速いので、 
5水準以上を簡単に取れます。 
 
通常、E1やE2では、10mmピッチで40水準、 
E測定では、40mmピッチで10水準を取ります。 
 
特別な場合は、5mmピッチや2mmピッチで、 
より多くのデータを取得することもあります。 
 
方向も、より多く取ります。 
E測定として空間の対角を4本、 
E1測定を XとYそれぞれについて2本ずつ(計4本)、 
E2測定を 2本 で、 
合計 10本 の方向を測定します。 
 
一般的な画像測定機では、E1とE2とE1Zしか保証しないものも多いです。 
 
Werth の画像処理三次元測定機は、 
三次元測定機として、空間精度Eまで保証します。 
 
Werth の画像処理三次元測定機でも、必要があれば、E1Zを測定します。 
 
このときは、状況が少し厄介です。 
オートフォーカスで短い距離をちょっと測って、E1Zとは言いません。 
 
Z軸の全ストロークで E1Z を測定しますが、 
画像処理カメラでは、どうやったらよいのでしょうか?? 
 
 
コストをかけて簡単に実行する方法は、 
反射鏡を付けて、レーザートラッカーで Z軸の動きを追うことです。 
 
便利な方法ですが、退屈です。 
最新のレーザートラッカーにやらせると、全空間の補正データも 
セットして待つだけで精度良く完成します。 
頭を使いませんし、不具合が潜んでいても見逃す可能性があります。 
装置の最適化を行うスキルも身に付きません。 
 
面倒なのですが、装置の校正を空間補正も含めて最初からやる方法として、 
我々は基準原器をコツコツいろんな方向に向けて測定します。 
理屈通り、高精度の追い込みができたときは、気分が良いです。 
 
 
話が空間補正に飛んでしまいましたが、 
Werth の画像処理三次元測定機で E1Z を測定する方法は、 
マルチセンサ機能を使って、接触式プローブで縦に並んだゲージを測ります。 
 
階段状のゲージではダメなのです。 
XとYを動かさずにZだけを動かすには、縦に並んだゲージが必要です。 
 
そして、それを測るには、カメラではダメで、 
接触式プローブが必要なのです。 
 
カメラに90°ミラーを付けてゲージを測る方法もあると思いますが、 
我々は接触式プローブを付けて、測定します。 
(90°ミラーの案は、少し考えるといろいろ問題があることが分かります。) 
 
最初からマルチセンサー装置の場合は、そのまま使えますが、 
カメラのみの装置の場合、取付けて、測定して、取り外します。 
 
空間精度Eをスペックに収めて、さらに精度を追い込もうとすると、 
E1、E2、E1Z の全てをベストな状態にし、かつ全空間の補正が必要です。 
 
 
「三次元測定機の空間精度E測定は大変なのですよ」 
「そして、Werth のX線CTは、その三次元測定機ベースなのです」 
というお話をする予定でしたが、 
長くなってしまったので、この辺にしておきます。 
 
 
-- 
高野智暢


☆TomoScope専門サイトはこちら☆ 

一覧に戻る

お問い合わせ Contact

048-441-1133

お問合せフォーム