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2018.03.14
A-0078. ディストーションのお話 — TT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ディストーションのお話 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 2018年3月14日号 VOL.078 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScope では、ディストーション補正が一つのポイントになっています。 正方形が並んだ格子をディテクタ上に投影しても、 通常はどの位置でも同じ倍率で拡大された投影像にはなりません。 そのため、ディテクタの場所ごとに正方形が歪んで映る状態を 上手く補正してあげる必要があります。 しかもその補正を国際的なメートル基準にトレーサブルな方法で 実行するのは簡単ではありません。 詳細をこの場で説明するのは難しいですが、 結構高度な概念と技術を使って、TomoScope のディストーションは 補正されています。 さて、ディストーションは、TomoScope に限らず、 当社で扱っている測定機では常に気になる存在です。 Tropel社製の干渉計でもディストーションを扱うことがあります。 今回は、Tropel社のソフトウェア TMS に組み込まれている ディストーションの成分展開の各項を眺めてみます。 X Translation : dX = [XTrans] Y Translation : dY = [YTrans] Magnification : dX = X [Mag] dY = Y [Mag] Anamorphic Mag : dX = X [Anamorph] dY = -Y [Anamorph] Rotation : dX = -Y [Rot] dY = X [Rot] Skew : dX = Y [Skew] dY = X [Skew] X Trapezoid : dX = XY [XTrap] dY = Y^2 [XTrap] Y Trapezoid : dX = X^2 [YTrap] dY = XY [YTrap] Pincushion (3rd order Radial) : dX = X (X^2 + Y^2) [Pin] dY = Y (X^2 + Y^2) [Pin] Anamorphic Pincushion : dX = X (X^2 + Y^2) [AnamorphPin] dY = -Y (X^2 + Y^2) [AnamorphPin] 5th order Radial : dX = X (X^2 + Y^2)^2 [5th] dY = Y (X^2 + Y^2)^2 [5th] Tangential 1 : dX = -XY [Tan1] dY = X^2 [Tan1] Tangential 2 : dX = Y^2 [Tan2] dY = XY [Tan2] 数式に慣れ親しんでいる人にとっては、 これらの数式が視覚的なイメージに見えます。 また、よく眺めていると対称性も見えてきます。 技術者にとっては、役に立つ便利な道具ですが、 マニアにとっては、それだけではなく、見ているだけで 楽しい数式です。 工具を並べて、眺めながら楽しんでいる人もいれば、 数式を並べて、眺めながら楽しんでいる人もいるのです。 -- 高野智暢