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2020.01.15
A-0103. 基礎の復讐:命題の逆、裏、対偶 — T.T
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 基礎の復讐:命題の逆、裏、対偶 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 2020年1月15日号 VOL.103 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 『「%」が分からない大学生』という本が出ているよ という話を聞き、調べてみると、2019年4月に出た本でした。 そういえば、20年位前に『分数ができない大学生』という本が あったような、と思って調べてみると、 それは1999年6月に出た本でした。 文章を書くとき、分かっているつもりの単語でも、 結構な頻度で辞書を引きます。 それでも伝えたいことにぴったりの単語がなく、 類語辞典を調べたり、文章を何度も書き直したりして、 妥協の産物として、文章が出来上がるということが多々あります。 さて、ここまで書いてみて、 文章が分かりにくいし、論理が少々破綻しているなと感じます。 (何の話を始めたいのかが、ここまで読んでも分かりません。) 文章を書いている最中で、メタな記述が出てくると、 読み手に更なる混乱をもたらすため、駄文に拍車が掛かります。 少し解説します。 まず、タイトルに使った「復讐」という単語の意味は、 「相手からされた仕打ちを仕返しすること」です。 基礎を疎かにすると、その報いが必ず襲い掛かってきます。 基礎的な事柄は、簡単だったり、 簡単ではないが慣れて分かったつもりになっていたり という事情により、見直したり、考え直すことなく、 蔑ろ(ないがしろ)にしてしまうことがよくあります。 例え簡単な基礎であっても、人間の脳の特性を考えると、 基礎の復習は価値があるものです。 そこで、毎回小難しい文章をひねり出すようなことはせず、 気軽に誰でも知っているような基礎のリマインドを定期的に書いてみるのも 価値があることかなと思ったのですが、 いざ書き始めてみると、書いている本人ですら面倒臭くなるような文章を 書くのが結局はこの人の趣味なのだなと気づくのです。 本来、論理(ロジック)を学ぶのは、話をややこしくするのが目的ではなく、 簡潔明瞭に伝えるのが目的です。 そのため、この文章を書いている人に是非言いたいのは、 道具(ロジック)を正しく使いなさい。ということです。 では、本題です。 論理を正しく使うには、論理の基礎を何度も復習して定着させる必要があります。 そこで、基礎用語を確認します。 まず、 「命題」とは、真偽が数学的に決まる文章や数式の事です。 「真偽」とは、正しいか間違っているかのどちらかのことで、 命題が正しいときを「真」、間違っているときを「偽」と言います。 命題として、「AならばB」があるとします。 例えば、「ネコならば動物」という命題です。 その「逆」は、「BならばA」です。 例えに当てはめると、「動物ならばネコ」です。 そして「裏」は、「AでないならばBではない」です。 例えに当てはめると、「ネコでないならば動物ではない」です。 元の命題の「対偶」は、「BでないならばAではない」になります。 例えに当てはめると、「動物でないならばネコではない」です。 ここまで、命題の逆、裏、対偶 について復習したかっただけです。 でも、文章を書くときは、常に「接続詞」にかなり気を遣っています。 ↑ここで使った「でも」は正しい使い方なのだろうかとか、 かなり考えます。 (敢えてそのままにしましたが、この「でも」の前後で文章の断絶があります。) 接続詞は、文章をストーリーとして成り立たせて、 相手に伝える印象などを操作する、とても重要な要素です。 接続詞の使いこなしは、論理が基礎ですが、 普段の日本語の接続詞と論理の用語が必ずしも一致せずに ニュアンスが変化するという自然言語特有の現象もあります。 簡潔明瞭であるが故に、個性がなく、ありきたりの文章なってしまう のが嫌で、この人はこのような読みにくい文章を書いているのだと 分析できますが、 もし、簡潔明瞭で、かつ、個性的な、他に類を見ない文章が書ければ、 非常に価値のあることです。 でも、そのような文章を書くためには、 逃げずに日頃から簡潔明瞭な文章を書く練習を繰り返すしかないのだと 思います。 -- 高野智暢