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2020.11.11
A-0115. 二乗の和の公式 — T.T
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 二乗の和の公式 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 2020年11月11日号 VOL.115 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 最近、二乗の和の公式を導く機会があったので、それを書きます。 確か、二乗の和の公式の導出方法は何通りもあって、 なかなか奥の深い世界が広がっています。 たぶん、昔に何度も解いた問題ですが、すっかり忘れています。 これは、ノーヒントで解いた時の爽快感を味わうチャンスです。 忘れるということは良いことです。 まずは、計算したい式を書きます。 S = 1^2 + 2^2 + 3^2 + 4^2 + ... + n^2 = Σk^2 この S を計算します。 Σは、kについて、1~n まで走ることとします。 各項を分解してみると、奇数の和で書けることが分かります。 1^2 = 1 = 1 2^2 = 4 = 1 + 3 3^2 = 9 = 1 + 3 + 5 4^2 = 16 = 1 + 3 + 5 + 7 5^2 = 25 = 1 + 3 + 5 + 7 + 9 ... n^2 = 1 + 3 + 5 + ... + (2n-1) これを縦に足すと、同じ数が何回出現するかを見て、 掛け算でまとめることができます。 S = 1×n + 3(n-1) + 5(n-2) + ... + (2n-3)×2 + (2n-1)×1 この式をΣでまとめると、 S = Σ(2k-1)(n-k+1) になるので、展開して、 S = Σ(2kn - 2k^2 + 2k - n + k - 1) = 2nΣk - 2Σk^2 + 2Σk - nΣ1 + Σk - Σ1 となります。 ここで、 Σ1 = n Σk = n(n+1)/2 は簡単に求まるので、代入します。 また、2Σk^2 は、2S です。すると、 S = 2n{n(n+1)/2} - 2S + 2{n(n+1)/2} - n^2 + n(n+1)/2 - n = (n+1)n^2 + n^2 + n - n^2 + (n^2)/2 + n/2 - n - 2S = n^3 + (3/2)n^2 + n/2 - 2S 従って、 3S = n^3 + (3/2)n^2 + n/2 になります。この両辺を 3 で割って、 S = (2n^3 + 3n^2 + n)/6 が得られました。因数分解すれば、 S = (1/6)n(n+1)(2n+1) です。(これが求めたかった公式です。) ところで、最初に平方数が奇数の和で書けることに気が付きました。 絵で描くとこんな感じです: □■□■□ ■■□■□ □□□■□ ■■■■□ □□□□□ 忘れると、何回も楽しめます。 -- 高野智暢