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2023.01.11

A-0143. 等速円運動の向心力 — T.T

 
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等速円運動の向心力

発行:エスオーエル株式会社
https://a13.hm-f.jp/cc.php?t=M358440&c=6090&d=eb6f

連載「X線CTで高精度寸法測定!?」
2023年1月11日号 VOL.143

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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遠心力の式の導出は、どうやるのだったかな
と思い立ったら、しばらくはそのことで頭が一杯になります。

とりあえず、導出のルートが二通り思い付くので、
そのうちの一つについて頭の中で計算を始めます。

こういうのを考えるのは楽しいです。

どこまで暗算できるかやってみるのですが、
今回は集中力が足りず、紙に書き出しました。


まず、等速円運動を考えます。
半径 r の円上を (dθ/dt) の角速度で回っている状況です。
等速なので、 (dθ/dt) = ω としておきます。
(このとき、速度 v は rω になります。)

定石(定番のやり方)として、2次元極座標系を取ります。

  x = r cosθ
  y = r sinθ

x方向とy方向の速度を計算するために、微分します。

  (dx/dt) = (-r sinθ)(dθ/dt)
  (dy/dt) = ( r cosθ)(dθ/dt)

加速度を計算するために、もう一回微分します。

  d(dx/dt)/dt = (-r cosθ)(dθ/dt)^2 + (-r sinθ)(dω/dt)
  d(dy/dt)/dt = (-r sinθ)(dθ/dt)^2 + ( r cosθ)(dω/dt)

(dω/dt)=0 なので、

  d(dx/dt)/dt = (-r cosθ)ω^2
  d(dy/dt)/dt = (-r sinθ)ω^2

となります。
ここで、ニュートンの運動方程式を思い出すと、

  Fx = m d(dx/dt)/dt
  Fy = m d(dy/dt)/dt

なので、

  Fx = m (-r cosθ)ω^2
  Fy = m (-r sinθ)ω^2

です。
それでは、ベクトル (Fx, Fy) の大きさ F を求めてみます。

  F = √{ (Fx)^2 + (Fy)^2 }
   = mrω^2 √{ (cosθ)^2 + (sinθ)^2 }
   = mrω^2

これで、無事 F = mrω^2 が出てきました。
次に、ベクトルの方向は、(-x, -y) なので、中心に向いています。


あぁ、これは「向心力」だなと思い出し、
「遠心力」は、これに釣り合う逆向きの力だったと思ったところで、

物理でよくある議論を思い出します。

遠心力は見かけの力です。

慣性系の話を始めると長くなるので、ここで書くのをやめます。

こうやって芋づる式にいろいろなことを何度も思い出して
日々を過ごしていると退屈しません。


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高野智暢

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