メールマガジン・新着情報一覧
- TOP
- メールマガジン・新着情報一覧
- A-0143. 等速円運動の向心力 — T.T
2023.01.11
A-0143. 等速円運動の向心力 — T.T
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 等速円運動の向心力 発行:エスオーエル株式会社 https://a13.hm-f.jp/cc.php?t=M358440&c=6090&d=eb6f 連載「X線CTで高精度寸法測定!?」 2023年1月11日号 VOL.143 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 遠心力の式の導出は、どうやるのだったかな と思い立ったら、しばらくはそのことで頭が一杯になります。 とりあえず、導出のルートが二通り思い付くので、 そのうちの一つについて頭の中で計算を始めます。 こういうのを考えるのは楽しいです。 どこまで暗算できるかやってみるのですが、 今回は集中力が足りず、紙に書き出しました。 まず、等速円運動を考えます。 半径 r の円上を (dθ/dt) の角速度で回っている状況です。 等速なので、 (dθ/dt) = ω としておきます。 (このとき、速度 v は rω になります。) 定石(定番のやり方)として、2次元極座標系を取ります。 x = r cosθ y = r sinθ x方向とy方向の速度を計算するために、微分します。 (dx/dt) = (-r sinθ)(dθ/dt) (dy/dt) = ( r cosθ)(dθ/dt) 加速度を計算するために、もう一回微分します。 d(dx/dt)/dt = (-r cosθ)(dθ/dt)^2 + (-r sinθ)(dω/dt) d(dy/dt)/dt = (-r sinθ)(dθ/dt)^2 + ( r cosθ)(dω/dt) (dω/dt)=0 なので、 d(dx/dt)/dt = (-r cosθ)ω^2 d(dy/dt)/dt = (-r sinθ)ω^2 となります。 ここで、ニュートンの運動方程式を思い出すと、 Fx = m d(dx/dt)/dt Fy = m d(dy/dt)/dt なので、 Fx = m (-r cosθ)ω^2 Fy = m (-r sinθ)ω^2 です。 それでは、ベクトル (Fx, Fy) の大きさ F を求めてみます。 F = √{ (Fx)^2 + (Fy)^2 } = mrω^2 √{ (cosθ)^2 + (sinθ)^2 } = mrω^2 これで、無事 F = mrω^2 が出てきました。 次に、ベクトルの方向は、(-x, -y) なので、中心に向いています。 あぁ、これは「向心力」だなと思い出し、 「遠心力」は、これに釣り合う逆向きの力だったと思ったところで、 物理でよくある議論を思い出します。 遠心力は見かけの力です。 慣性系の話を始めると長くなるので、ここで書くのをやめます。 こうやって芋づる式にいろいろなことを何度も思い出して 日々を過ごしていると退屈しません。 -- 高野智暢