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2010.12.20
B-0016. X線CT装置の分解能 — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ X線CT装置の分解能 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの?」 2010年12月20日号 VOL.016 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 三次元測定機やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆さん、こんにちは。 最近X線CT装置TomoScopeのお問い合わせをよく頂きます。 特に最近多いのは、 「隙間が出来てしまった不良品を測定し、問題解決したい」というご要望です。 この場合、一番のポイントは測定分解能です!! そこで今回は、X線CT装置の分解能に関してご説明したいと思います!! X線CT装置の分解能は、下記3点によって決まります。 ①ディテクター(検出器)のピクセルサイズ ②X線焦点のサイズ ③測定倍率 まず①のディテクターのピクセルサイズに関して、 基本的にピクセルサイズの小さいディテクターを使う方が、分解能は上がります。 例えばWerth社のTomoScopeの場合、 ピクセルサイズ50umと100um、200umがありますが、 倍率1倍で測定した場合分解能はそれぞれ50um、100um、200umとなります。 50umというのは、50um x 50umの格子でサンプルを分割しているイメージです。 基本的にこの数字が小さければ小さい程、細かく分割出来る、つまり分解能が高いという事です。 (例外がございますので、それは②でご説明します。) 次に②のX線焦点のサイズに関して、 これは①のピクセルサイズに関係します。 ピクセルサイズを小さくすれば分解能は上がると話しましたが、 X線焦点サイズのサイズ以下のピクセルサイズにしても分解能はそれ以上変わりません。 最後に③の測定倍率に関して、 ①のようにピクセルサイズで倍率1倍の分解能が決まったところから、 更に分解能を上げる為には、倍率を上げれば良いのです。 例えば、ピクセルサイズ50umのディテクターを使って、 倍率1倍で測定した際のX線光源からサンプルまでの距離を1とします。 距離を1/2にした場合、 像は縦横2倍の4倍の大きさになり、分解能は1/2の25umになります。 同じ様に距離を1/4にすれば、 像は縦横4倍の16倍の大きさになり、分解能は1/4の12.5umになります。 このように計算していくと、 単に距離を縮めれば分解能が良くなると考えがちですが、 ここで1つ大きな問題が生じます。 それはサンプルの大きさを考慮しなければならないという事です。 X線は光源からある角度で放射されます。 この領域内にサンプルが収まらないと測定は出来ません。 サンプルが小さければ、より光源に近づけられ、より高分解能で測定出来ます。 その為、同じX線CT装置でもサンプルサイズによって、 最高分解能は変わります。 この原理では、大きなサンプルを高分解能で測定する事は難しいです。 しかしそれすらを可能にしたのがWerth社のTomoScopeです!! Werth社独自のラスタートモグラフィーという、分割スキャンの方法を使えば、 大きなサンプルも高分解能で測定出来ます!! 最近の事例ではφ35mmのサンプルを5umで測定出来ました!! (ラスタートモグラフィーを使わなければ25umや50umが限界です。) 以上、今回は「X線CT装置の分解能」をお届けしました。 -- A.T ☆TomoScope専門サイトはこちら☆