メールマガジン・新着情報一覧
- TOP
- メールマガジン・新着情報一覧
- B-0028. 半導体関連学会からの情報 — AT
2015.07.15
B-0028. 半導体関連学会からの情報 — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 半導体関連学会からの情報 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」 2015年7月15号 VOL.028 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 弊社が扱うCorningTropel社製品は、メインが平面度測定という事もあり、 半導体業界に一番多く導入して頂いています。 その為、年に数回は学会に参加して、各社様のご発表を拝聴したり、 また機会があれば企業展示や講演などもさせて頂いています。 測定機という間接的な立場ではありますが、材料毎の特徴や加工方法の違い、 それらによる形状の変化の仕方の違い等、 「形状測定」という視点から押さえておきたいところではありますので、 学会は大変興味深く、勉強になります。 ここ1ヶ月で弊社が参加させて頂いたところでは、 まず6月26日に砥粒加工学会殿が主催された 「パワーエレクトロニクス用SiC基板の高精度・高品位加工&評価計測の最新技術」 というテーマの学会がありました。 SiCの加工においては、数年前に国プロでMSP150-Wafer(MSP-DL)という機種を 導入させて頂いたご縁で、今回弊社の者が講演を仰せつかりました。 因みにこのMSP150-Waferという機種は、 既存の機種に国プロの皆様のお知恵を拝借して開発された製品で、 ウェーハのTTVやLTV、SORIやBOWを測れる従来品にプラスして、 「厚みを全面で、繰り返し精度0.1um以下で測定する」という点が特長の装置です。 研磨前後や膜貼り前後の形状の変化を全面でご覧頂けます。 この辺りの開発の経緯や測定機を扱う者として、選定におけるポイント等を ご紹介させて頂きましたが、中々「測定」がテーマで話させて頂ける機会は 少ないようで、ご好評だったそうです。良かったです。 この学会の前日の6月25日、SiC業界にとっては大きな発表がありました。 JR東海が、「SiCを採用した新幹線車両用駆動システムを開発し、実用化の目途が立った」 というものです。 SiCというと、パワーデバイスという事で随分前からそのポテンシャルに大きな期待が 寄せられていましたが、価格が高いなど様々な要因によって、 なかなか足踏みしているような雰囲気がありました。 学会でも「5年後には~」とおっしゃっていた方が次の年もまた「5年後には~」と講演されていて、 正直なところ「どうなんだろう。。」と思ったものです。 それが、東京メトロ銀座線や阪急電鉄、山手線に続き、 ついに新幹線まで来たかと思うと、いよいよ大きな次のステージに来たんだなぁと思いますし、 お付き合いのあるSiC関連の研究者の方々のお顔が浮かんで、良かったなぁと嬉しく思います。 益々今後に期待です。 他に、7月9日には「次世代パワー半導体デバイスの進展」というテーマの学会がありました。 これは先進パワー半導体分科会研究会殿が主催されているもので、 第三回の今回はつくばで開催されました。 「次世代」がテーマだったので、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、 ダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)といった材料が、SiCの次を担うという事で 発表されていました。 材料の特徴により、「競争ではなくて棲み分け出来る」というのが印象的で、 これまでもそういうお話は伺っていはいましたが、講演でその構図をお教え頂き、 初めて納得しました。 半導体業界を支える研究者の方々のご講演を聞くと、 新しいデバイスを世の中に生み出すには、本当に地道な研究の積み重ねなんだなぁ と改めて思います。 敬意を表し、電化製品を大事にしようと思いました。 今週も、最後までお読み頂いて、ありがとうございました。 -- A.T