メールマガジン・新着情報一覧
- TOP
- メールマガジン・新着情報一覧
- B-0035. TomoScopeのMPE_E — AT
2016.02.17
B-0035. TomoScopeのMPE_E — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScopeのMPE_E 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」 2016年2月17日号 VOL.035 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。営業の高鍋鮎美です。 X線CT装置TomoScopeをご紹介していると よく聞かれることの1つに寸法測定精度があります。 TomoScopeは群雄割拠のCT業界の中で、 ・観察だけではなく、寸法測定が出来る ・寸法を測定するだけではなく、寸法を保証出来る を特徴として謳っていますので、 特に測定機に精通している方からISO規格がまだ完成していないCTにおいて 何故「保証出来る」と謳えるのか、疑問が出るのは納得です。 今回はこの辺りについて、ご説明していこうと思います。 まず前提として、CTのISOは未だ規格化されていません。 TomoScopeが精度保証出来ると謳っている根拠は、 ドイツ国内の規格制定機関VDI2617の規格を ドイツ国内の認証機関であるDAkkS(ダックス)が認証しているからです。 「インターナショナルではないのか」と思われるかもしれませんが、 CTにおいてドイツは世界を牽引しています。 その上でドイツ国内においても厳しめに取り決めた規格で認証を取得した ということは、今後世界標準のISOが規格化されるとしても、 TomoScopeは勿論認証取得出来るというのがWerth社の考え方です。 若干フライングしているような印象を受けますが、 年々製造メーカー様からのご要望が厳しくなる中で、 精度保証も1つの課題でした。 3年程前までは、厳しい企業様にはお客様のサンプルで 何度も繰り返し測定を実施し、 TomoScopeに付けられる接触式プローブなど他の手法も使って、 何とかご納得頂くということもしていました。 ISO規格は依然あまり目立った進展がなく時間ばかり過ぎてしまうので、 ドイツは先行して国内で動ける体制を取ったということです。 具体的には、 TomoScopeのMPE E(長さの最大許容誤差)は(4.5+L/75)umです。 Lには測定する長さをmmで入れ、75で割ります。 例えば75mmであれば、4.5+75/75 = 4.5+1 = 5.5(um)という具合です。 このMPE Eの認証に関して、規格のガイドラインでは、 「5つの長さを7方向で、3回ずつ、これを倍率を変えて2パターン」 とあるようです。 合計すると210回の寸法測定を行うことになります。 さらに、最小測定寸法長さはいくつ、最長はいくつというのも決まっていたり、 それ以外にも細かな指定が色々あります。 TomoScopeは先端にルビー球が付いた27本のピンのデバイスを使い、 この全ての性能テストでクリアしています。 またスペック値の4.5umは安全を見ていて、 実際の測定値は大体±2umが多いです。 こうお伝えするとかなり良いように聞こえますが、 確かに良いのですが、ここでもう1つ、よく聞かれる注意事項があります。 この4.5umや2umというのはあくまでもキャリブレーションデバイスという 原器を測定した際の値であって、 実際にお客様の様々なサンプルを測定したらどの位の精度が出るかとは 別のお話ということです。 実績として小型樹脂サンプルで、2umの精度は出ていますが、 形状や測定箇所、材質や大きさなどに寄り、一概には言えませんので、 これはやはり詳細をお伺いした上で測定してみるしかありません。 そうすると、真値は・・・という問題が生じますが、 これはもうそのサンプルに一番お詳しいお客様が、 理論上にもデータ上も、ご納得されるまでとことんやるということで 最終的にはOKを頂いています。 まだまだ新しい技術です。 是非体験されていない方は一度お試し頂ければ幸いです。 今週も、最後までお読み頂いて、ありがとうございました。 -- A.T ☆TomoScope専門サイトはこちら☆