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2017.07.05
B-0051. TomoScopeが得意な測定サンプル — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScopeが得意な測定サンプル 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」 2017年7月5日号 VOL.051 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。営業の高鍋鮎美です。 今回は弊社が近年、最も力を入れている「TomoScope」について 書いていきたいと思います。 TomoScopeはドイツの大手三次元測定機メーカー「ベアト社」が 製造している「寸法測定用」のX線CT装置です。 「寸法測定用」を強調しているのには訳があって、 ここがこの装置の最大の特徴だからです。 一般的にX線CTというと、医療用から始まり、 産業用では「内部観察用」として20年前位に国内メーカーのCT を中心に幅広くお使い頂くようになったと思います。 TomoScopeはベアト社が持っていた三次元測定機の技術と、 CTの技術を組み合わせることにより、 2005年に世界で初めて「寸法測定用のCT」を販売されました。 それから10年以上経ち、観察用途との違いを認知して頂き、 実績も増えて来ました。 ただ、同じように「寸法測定用途」と謳う競合他社さんも増えています。 正直なところ、TomoScopeは、X線CT装置業界において、 価格は他より高いです。 ただ、それでもお選び頂いているのには理由があり、 ご購入下さったユーザー様は、「TomoScopeでしか測定出来ないから」 とおっしゃって頂くことが最も多いです。 そこで今回は、どのようなサンプルであれば、 TomoScopeの優位性があるのかをご紹介したいと思います。 ① 小型の金属サンプルや複合材サンプル TomoScopeのお客様は皆様、 金属か複合材の測定用途でお使い頂いています。 他のCTに比べ「アーチファクトの影響が少ない」 というのが一番の理由です。 また数μmの精度が必要な小型精密部品がほとんどです。 アーチファクトとは ② 寸法測定用途: TomoScopeは「寸法測定」に強みがあります。 特に「内部の微細な寸法測定」でお使い頂くケースがほとんどです。 幾何公差にも対応していますので、 例えば「サンプル内部の小さな円筒の径や真円度、同軸度などの測定で 数μmの精度が必要」となるとTomoScopeの出番です。 また、「複合品で内部の部品がどのように組まれているか、 非破壊でデータ取得し、形状確認と寸法測定したい。精度保証は数μm!」 という場合もTomoScopeでチャレンジする対象です。 他には複合品で、例えば中に金属、外側に樹脂といった、 鮮明な像を得ることが難しいようなサンプルの寸法測定では、 オプション解析機能(Volume Cross Section)を使って、他では難しい 高精度な寸法寸法測定を行う、といったケースもあります。 ③ 高精度: 付属原器での装置スペックは約4.5μmです。 ただサンプルによって精度は変わりますし、実サンプルでは、 なかなか真値がないことが多いので、難しいところです。 TomoScopeのデータをそのままお使いになる場合もありますし、 これまでお使いになっている測定機の数値をマスターとして、 TomoScopeの結果にオフセットをかけて運用されているケースもあります。 弊社では鉄のブロックゲージを使って装置の性能評価をしてみました。 ブロックゲージ測定事例 また特に自動車業界で気にされることが多いですが、 TomoScopeは「世界で唯一精度保証か出来るX線CT装置」で、 精度保証の体系図はこのようになっております。 トレーサビリティ体系図 逆に、以下のご要望であればTomoScopeより他社さんの方が、 費用対効果が高いと言いますか、、お安く済みます。 ・樹脂サンプル全般: X線CTにとっては最も扱いやすいご要望なので、ほとんどの装置で 対応可能だと思います。(1000万円以下のタイプもあるようです。) ・アルミの欠陥観察: 自動車部品で多いのですが、高出力(300kV以上)の観察用大型装置が 最も適していると思います。 ・層の厚みを測定する場合: 「サンプルのある断面の層の厚み測定」というご依頼も最近多いですが、 このような場合は分解能がポイントになりますので、 観察用途で解像度に特化した装置が適していると思います。 ・樹脂内部の繊維解析: このご要望も上記と同じで、解像度に特化した装置に強みがあります。 ・外形の寸法測定: X線CTにとって、外側の輪郭取得はそれほど難しくありません。 「寸法測定用」と謳っていなくても、外形は比較的良い精度で 測定出来ることが多いです。 このように、X線CT装置にも色々と種類と特徴がありますので、 もし今後ご導入をご検討される際は、ご要望を整理して頂いた上で、 最適な装置をご評価して頂ければと思います。 文章ではなかなか他社さんの名前等は出せませんが、 もし個別にご相談頂ければご要望を伺った上で、お勧めをご紹介しますので、 お気軽にご連絡頂ければ幸いです。 今週も、最後までお読み頂いて、ありがとうございました。 -- A.T