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2018.08.01
B-0064. TomoScope 精度3.5μm — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScope 精度3.5μm 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」 2018年8月1日号 VOL.064 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。営業の高鍋鮎美です。 ここ最近、TomoScopeでの測定のご依頼を頂くことが増えています。 「波がある」と言える程はっきりしたものではありませんが、 測定のご依頼が少なくて社内の基礎実験等に装置を使う時期もあれば、 お客様のサンプル測定で装置の予定がパンパンになる時もあります。 先月、今月は特にサンプル測定やデモを多くご依頼頂いておりまして、 現在ご依頼下さっているお客様に対しては、 通常より測定・解析にお時間を頂いてしまい、大変恐縮です。 さて、今回はタイトルの通り、 TomoScopeの精度が3.5μmという内容をお伝えしたいと思います。 こう書くと、TomoScopeをよくご存じの方々は、 さも急に「1μm精度が良くなった」と思われるかと思いますが、 (実のところ)装置自体の精度は何も変わっていません。 ここで新しくお伝えしたいのは、 精度保証の数字(スペック)とその定義です。 TomoScopeは、これまで4.5μmという精度でご紹介してきました。 少し前までは、CTで4.5μmという精度だけでも、 ご好評頂けることが多く、装置性能が変わらない限りはこの表現方法で お伝えし続けてきたのですが、 最近は競合他社さんが増えて来まして、 4.5μmよりも良いスペックを出されている機種も拝見します。 そうすると、装置性能を比較検討されているお客様からすると、 どうしてもこの数字自体が目立ってしまいますので、 TomoScopeの4.5μmという数字は若干見劣りするかと思います。 しかし、実際は、TomoScopeの4.5μmという数字は、 他社さんよりも条件を厳しく設定した場合のスペックであって、 同様の条件にすればもっと良くなります。 その点を今回はアピールさせて頂ければと思っています。 TomoScopeでは精度確認をする為の原器が何種類かありますが、 特に今回ご説明したいのは、MKDNという原器でのスペックです。 これはその見た目から「バースデーケーキ」と呼ばれたりもしていまして、 金属のプレートに27本のルビー球が付いた棒が立っている原器です。 TomoScopeシリーズでは、 この原器で E: (4.5+L/75)μm という精度を保証しています。 それは最新機種でも、これまでの機種でも同じです。 但し、同じ原器を使っても精度保証の条件を変えれば、 SD: (3.5+L/100)μmとなります。 そして、こちらの条件の方が、業界としては多いスペックの決め方です。 では「その違いは何か?」ということですが、 端的に言えば、3.5μmの方は「球と球の中心間距離だけ」を測定していて、 4.5μmの方は「球と球の中心間距離+球の直径」で測定しているという事です。 CTの場合、一般的に形状が膨らんだり歪んだりすることがありますので、 Werth社のTomoScopeはその形状の誤差も含めて精度に入れようという考えで、 E: (4.5+L/75)μm の方を推しています。 一方で球と球の中心間距離だけであれば、そのような形状の誤差は あまり関係ない(膨らんだり歪んでも中心はあまり変わらない)為、 より小さい数字でスペックを設定することが可能です。 そしてTomoScopeシリーズは、その場合 SD: (3.5+L/100)μm というスペックになります。 詳しくは、図や表を用いてTomoScope専用ホームページにまとめてみましたので こちらをご覧頂ければ幸いです。 TomoScopeの精度保証、2つの特長 TomoScopeでは、このように E と SD で精度項目を分けていますが、 他社では SD のことを E と呼んでいる場合があるので、 注意が必要です。 そして、TomoScope 精度3.5μm とお伝えしていますが、 Werth社のCTでは、この機種が最上位機種ではなく、 TomoCheck HA という機種があり、E: (2.5+L/150)μm の CT空間精度スペックでご提供しています。 また、スペックには余裕があり、 設置環境を規定通りにご準備頂くことで、 実測精度はスペックの半分以下に収まっているという実績が御座います。 今週も最後までお読み頂いて、ありがとうございました。 -- A.T