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2024.05.29
B-0127.日本の半導体業界 30年越しのビッグウェーブ— A.T
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本の半導体業界 30年越しのビッグウェーブ 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「高鍋鮎美の三次元測定機って何なの??」 2024年5月29日号 VOL.B-0127 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などを テーマに、無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。営業の高鍋鮎美です。 今回は、急に様々なメディアで取り上げられるようになった、 「半導体業界」について、なぜこんなに盛り上がっているのかを 見ていきたいと思います。 ※弊社は、Corning Tropel社の平面度測定機を扱っています。 ウェーハやフォトマスク向けの平面度測定機の事業は 弊社にとっては一番大きな割合を占めるので、 日本の半導体業界の動向は弊社にとっても大事です。 では早速、まずは日本の半導体業界の過去から順に触れてみます。 ・世界を席巻した日本: 元々アメリカが世界をリードしていた半導体業界ですが、 1970年代には日本も世界の半導体メーカー売上ランキングで トップ10の常連になり、 なんと1980年代にはアメリカを抜いて世界1位になったんですね! 1986年の売上ランキングでは、1位がNEC、2位が日立、3位が東芝、 更に7位に富士電機、8位に松下、9位に三菱電機と トップ10のうち日本企業が6社を占めています。 (当時Intelは10位です!) これが、1990年代半ばから他国の企業が上位を取り返すようになり、 最近は半導体メーカーとしては、日本企業の名前はあまり出なくなってしまいました。 ※その間も半導体を作る材料や装置は日本企業が高いシェアを獲得しています。 ・日本政府の方針転換: 1990年代半ばより半導体メーカーとしての日本企業の地位が、 かつての栄光の時代のように戻る事はありませんでしたが、 ここ数年、急に政府が大規模な予算を付けて支援する事になりました。 その規模は、 2021年から2023年までの3年間で、3.9兆円だそうです!! 金額が大きすぎて、規模が分からないですよね。 因みにアメリカでは5年間で7.1兆円だそうです。 投資額で比較すると、国の規模によってインパクトは変わりますので、 対GDPで比較した情報も公開されています。 日本 :0.71% アメリカ:0.21% ドイツ :0.41% フランス:0.20% イギリス:0.04% これを見ると、今回は日本政府が 本気で半導体業界を推し進めようとしている事が感じられます。 ・特に多額の支援をしている企業: 日本政府が一番大きな補助を出しているのは、熊本県に建設している 世界最大の半導体受託製造企業TSMCの工場です。 TSMCは台湾の企業ですが、海外での生産拠点も徐々に増やしていて、 今年2月にTSMC熊本第1工場が開所となりました。 この工場の建設に日本政府は最大4760億円の補助を表明していて、 続く熊本第2工場にも最大で7320億円の支援をすると報道されています。 1社に1.2兆円って凄すぎますよね! 北海道に出来たラピダスにも最大9200億円の支援を表明しています。 この2社が突出していて、ニュースでもよく出ている印象ですが、 それ以外にも1000億円規模の支援は複数社あるようです。 まさに国策ですね。 半導体は今や「21世紀の石油」と言われていて、今後益々需要は高まる一方です。 日本政府の後押しも、半導体関連の報道や書籍の数も、これまでとは随分違って、 期待感が高まります。 この30年振りのチャンスに業界の中で関われるのは嬉しいですよね! 上手くいって、日本がまた好景気を取り戻せれば良いなと思います。 ※現在、半導体産業は長年の低迷で、人材が十分ではありません。 これから伸びていくチャンスだと思いますので、 是非チャレンジして欲しいと思います! 弊社もエンジニアを募集しています! 今週も最後までお読み頂きありがとうございました。 --