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2010.07.10

D-0020. 平面度測定機と相関の課題 — TT

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平面度測定機と相関の課題

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2010年7月10日号 VOL.020

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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測定機を扱っていると、装置間の相関の課題に遭遇することがよくあります。
弊社はこれまで、平面度測定機における相関の課題について、
多くの事例を解決してきました。
その一部をご紹介致します。


まず、測定機の相関の話が出ると、
その測定物に測定が必要な背景を十分理解しなくてはなりません。

以前メルマガで、半導体のフォトリソグラフィについて、
平面度測定が必要な背景をご紹介致しました。

  010. 焦点深度の式の導出

そして、平面度に対する厳しい要求がある場合には、
同じ測定機を使えば良いというわけではなく、
測定値の信頼性や相関といった課題に対する考え方が
しっかりした測定機であることが重要です。


弊社の提供する測定機には、このような課題を解決する技術があります。


① NISTトレーサブルなキャリブレーション

Corning Tropel社の平面度測定機には、約4μmの窪みを持つ校正原器が付属します。
この原器は、NISTトレーサブルな測定機により正確に窪みの深さを測定され、
保証書が添付されます。これにより、測定値の精度を明確に規定することができます。
平面度のトレーサビリティ体系を維持することは、容易な技術ではありません。
Corning Tropel社は、米国NISTの厳しい検査をクリアする管理方法を維持しています。


② お客様自身によるキャリブレーション作業

キャリブレーションは、お客様自身で定期的に実施して頂けます。
その手順も簡単で、装置に原器をセットして、
キャリブレーションのボタンを押すだけです。
信頼性が重要な平面度測定では、短いスパンでのキャリブレーションが必須です。
多少の環境変化があっても、キャリブレーションを頻繁に実施することで、
常に正確な測定が可能です。
また万が一、測定データに異常があっても、
どの時点から異常があったのか、追跡調査が容易に行えます。


③ ローカルスロープリミットの判別

干渉計で平面度を測定する際に、注意すべき点があります。
CCDカメラで干渉縞を取り込んでいますが、局所勾配が大きい部分では、
干渉縞が2つのピクセル内に1本以上入ることがあります。
この条件をローカルスロープリミットと呼びます。
この場合、本来大きく形状が変化しているにも関わらず、
あたかも平坦であるかのような誤った結果を出力する場合があります。
一般的な干渉計では、測定結果からは、
ローカルスロープリミットかどうかを判別することはできず、
局所的に形状の悪いウェーハを合格品と判定してしまうことがあります。
Corning Tropel社の干渉計は、原理的に
ローカルスロープリミットを超えた部分のデータが欠落するようになっています。
これにより、ローカルスロープリミットを判別することができ、
信頼性のないデータが出ていくことがないようになっています。


以上のように校正や精度、データの信頼性といった考え方が明確なため、
基本的にゲインとオフセットの調整で、測定機間の相関を取ることができます。
Corning Tropel社の同じ機種同士であれば、
キャリブレーション自体がゲイン調整になりますので、
ほとんど同じ測定結果を得ることができます。

また、原理の違う平面度測定機とであっても、
フィルタ条件の合わせ込み等で相関を取ることができます。


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高野智暢

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