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2010.12.10
D-0031. 材料力学(vol.005):保持方法による変形と自重たわみの見積り — TT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 材料力学(vol.005):保持方法による変形と自重たわみの見積り 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2010年12月10日号 VOL.031 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「保持方法による変形」シリーズの5回目です。 前回までで、たわみ曲線の微分方程式を導きましました。 023. 保持方法による変形とフックの法則 025. 保持方法による変形と曲げ応力 027. 保持方法による変形とてこの原理 029. 保持方法による変形とたわみ曲線 今回は、実際に条件を設定し、方程式を解いてみます。 前回同様、本来の真っ直ぐな棒が横たわる方向を x軸 に取り、 それに直交した下向きの方向を y軸 に取ります。 棒は、両端が支点で支えられているものとします。 y軸方向には重力がかかっており、棒は自重によってたわんでいます。 棒の全長を L, 単位長さ当たりの重さが w で均一とします。 つまりこの棒の重さは、wL です。 このとき、それぞれの支点の反力を R1, R2 とすると、 釣り合いの式から、 R1 + R2 = wL, LR1 = wLL/2 なので、 R1 = R2 = wL/2 となります。 そして、一方の支点から x の距離にある断面の曲げモーメント M が計算でき、 M = R1x - ∫w(x-s)ds = wLx/2 - (wx^2)/2 = wx(L-x)/2 となります。(ただし、積分範囲は [0,x] です。) これをたわみ曲線の微分方程式 d^2y/dx^2 = -M/EI に代入すると、 d^2y/dx^2 = -wx(L - x)/(2EI) となるので、両辺をxで積分して、 dy/dx = -w(Lx^2/2 - x^3/3 + c1)/(2EI) を得ます。さらにもう一回xで積分して、 y = -w(Lx^3/6 - x^4/12 +c1x +c2)/(2EI) を得ます。 ここで、c1 と c2 は積分定数ですが、境界条件として、 x = 0, L のとき、y = 0 を与えると、 c1 = -L^3/12, c2 = 0 と定まります。従って、 dy/dx = w(4x^3 - 6Lx^2 + L^3)/(24EI), y = wx(x^3 - 2Lx^2 +L^3)/(24EI) となります。 そして、たわみが最大になる位置は、極値となる dy/dx=0 から x を求めます。 dy/dx = w(4x^3 - 6Lx^2 + L^3)/(24EI) = w(2x^2 - 2xL -L^2)(2x - L)/(24EI) ですので、dy/dx=0 となるのは、 x = L/2 であることが分かります。 そのときの y がたわみの最大値となり、 y_max = 5wL^4 / (384EI) が求まります。 後は、棒の重さ(wL)、長さ(L)、ヤング率(E)、断面二次モーメント(I)を代入すれば、 自重によるたわみを見積もることができます。 -- 高野智暢