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2011.02.28
D-0034. 真空チャックの吸着力 — FN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 真空チャックの吸着力 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2011年2月28日号 VOL.034 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 今回は、ウェーハのソリの形状と厚みムラ測定について考えてみたいと思います! ソリの大きいウェーハは、全面吸着による厚みムラが測定出来ない事があります。 それは形状によっては、真空吸着ができないことがあるからです。 真空吸着できているかどうかの判断は、 厚みムラを測定する際に、ウェーハを少しずらして吸着させてみるのです。 ソリの大きいウェーハなら、空気がリークするのが分かります。 真空吸着しにくいのは、表面が中心から凹形状で、ソリの大きい形状のウェーハです。 このようなウェーハは、真空チャックとウェーハ間に隙間ができ、 その隙間から空気がリークしてしまい、吸着出来なくなります。 ですので、このままでは厚みムラを測定する事が出来ません。 しかし、凹形状のウェーハでも、厚みが薄く、剛性が低ければ、 全面吸着する事は可能です。 また、凸形状であれば問題なく測定する事が可能です。 実際にどのくらいの力がウェーハ1枚にかかるのか、計算してみましょう。 6インチのウェーハ (半径7.5cm) に 80 kPa の真空圧で吸着させたとします。 6インチウェーハの表面積は、 7.5cm × 7.5cm × π = 176.7 cm^2 となります。 真空吸着力は、80 kPa = 0.8 kgf/cm^2 ですので、 ウェーハ1枚当たりに掛かる力は、 0.8 kgf/cm^2 × 176 cm^2 = 141.4 kgf です。 なんと、ウェーハ1枚当たりに掛かる力は、約141 kg にもなるのです。 これだけの力で6インチウェーハが真空吸着されているので、 141 kg の吸着力にも負けない位の剛性のある分厚い凹形状ウェーハは別として、 それ以外なら全面吸着出来ます。 もし測定したいサンプルが御座いましたら、 弊社エスオーエルまでご連絡下さい。お待ちしております。 -- F.N