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2011.04.10

D-0037. 倍率と開口数の関係 — TT

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倍率と開口数の関係

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2011年4月10日号 VOL.037

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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光学測定機を設計する際、まず基準として考えなくてはならないことがあります。

その光学系を使って人が何かを観察するのであれば、
ここでいう基準とは、人の「目」です。

現在では、光学系で得た信号をコンピュータ処理することが非常に多くなっています。
この場合、目の代わりとなる大変優れたセンサーが存在します。
それは、「CCDカメラ」です。

従って、光学測定機の光学系は、使用目的を満足するように
「CCD」を基準として設計することになります。


今、平面度を測定する光学系を設計しようと考えたとします。

測定面のサイズがCCDのサイズに投影されるようにすると、
倍率が決まります。


実は、用途と倍率が決まった時点で、光学系が大方決まってしまう関係式があります。

以下、光学系の種類に関係なく、一般的に成り立つ「倍率と開口数の関係式」を導出します。

像側と物体側の開口数をそれぞれ
  像側 : NA = sinθ
  物体側: NA’= sinθ’
とします。
(NAは、屈折率を n として、n×sinθ ですが、空気中の n=1 としています。)

レンズの径を D とします。

像側にて、
CCDから光軸に対してθでレンズに入射する光線と主面との交点を P とし、
光軸上のCCDの点からPまでの距離を L とします。

同様に物体側にて、
物体から光軸に対してθ’でレンズに入射する光線と主面との交点を P’ とし、
光軸上の物体からP’までの距離を L’ とします。

すると、
  sinθ = D / (2L )
  sinθ’= D / (2L’)
と書き表せますので、

  L / L’= sinθ’/ sinθ = NA’/ NA

となります。
ここで、L / L’は、倍率 m になるので、

  m = NA’/ NA

という関係式が得られました。


さて、NA は解像度と焦点深度を決定してしまうということを
以前のメールマガジンで紹介致しました。
(010. 焦点深度の式の導出)

倍率 m が決まり、平面度測定の目的のために NA’を小さく取ると、
像側の NA も決定してしまい、解像度が決まってしまいます。
つまり、横分解能が犠牲になります。

しかし、平面度を測定するという目的には、むしろ好都合です。
表面形状から平面度を解析するには、
空間周波数の高い成分をフィルタリングする必要があるからです。


もし、平面度と粗さのどちらも測定したい場合は、
それぞれの目的にあった測定機を用意する必要があります。

粗さ測定機のデータをつなぎ合わせたところで、平面度の測定はできません。
それらしい結果を作ることはできるかもしれませんが、
実際何を測定しているのか分からなくなります。

平面度測定機で、単にレンズの倍率を上げても粗さは測定できません。
NA’が一定なら、m が大きくなった分、NAが小さくなり、逆に解像度が落ちます。


目的に合った測定機をご紹介するのも我々エスオーエルの仕事です。

サンプル測定やデモ測定も承っておりますので、
お気軽にお問合せ下さい。


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高野智暢

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