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2011.09.30
D-0046. 2次フリンジの消し方 — FN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2次フリンジの消し方 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2011年9月30日号 VOL.046 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆様こんにちは! (( メルマガ登録会員の皆さまは、エスオーエル名物「○○○ごと」をご覧頂けます! )) 今回は【2次フリンジの消し方】について、 お話したいと思います。最後まで宜しくお願いします! 例として、ガラス製品などの透明体のサンプルの表面の平面度を 測定するとします。すると、表面と裏面の干渉縞である2次フリン ジが現れます。この2次フリンジ、邪魔ですね。。。 もし、2次フリンジが見えている状態で測定してしまったら、干渉 縞が乱れ、装置がきちんとした平面度を計算出来なくなります。 ではここで、2次フリンジはどうやったら消せるのか? を計算上で求めていきたいと思います。 厚み6.35mmtのガラス基板(屈折率n=1.5) Gap=200um(サンプルとプリズムの間隔) 縞感度: 1.5um/fringe (入射角度77.85度)の時 ①1次フリンジを形成するための表面からの反射光と プリズム面からの反射光の距離は1205.45um。 ②2次フリンジを形成するための表面からの反射光と 裏面からの反射光の距離は8274.92um。 となります。 縞感度: 4.0um/fringe (入射角度85.44度)の時 ③1次フリンジを形成するための2つの反射光の距離は3298.74um。 ④2次フリンジを形成するための2つの反射光の距離は8426.89um。 となります。 空間コヒーレンスを利用し、2次フリンジのコントラストを抑えるには、 反射光の距離を 1次フリンジ:2次フリンジ=1:3~1:5にする 必要があります。(①と②の距離を比較) 縞感度:1.5um/fringeでGap=200umの時は、十分に2次フリンジを消 せる可能性があります。 しかし、縞感度:4.0um/fringeで2次フリンジを消すためには、Gap を約50~100umにまで近づけなけ ればなりません。そうしますと、 プリズムとのギャップに余裕が無く、サンプルをセットする時の 操作性が悪くなってしまいます。 また、厚み850umtの透明ウェーハでは、 ①は1205.45um、②は1107.66um、③は3293.8um、④は1128.01umです。 同様に、厚み500mmtの透明ウェーハでは、 ①は1205.45um、②は651.45um、③は3293.8um、④は663.52umです。 2次フリンジを縞感度:1.5um/fringeや4.0um/fringeで空間コヒーレン スを使用して消そうとするのは困難です。 サンプルの屈折率、厚み、Gap、縞感度等によって、干渉縞を形成するため の反射光同士の距離が異なってきます。また、サンプルの平面度 が良いサンプルでないと、空間コヒーレンスを使用しても2次フリンジ を消すのは難しいです。 2次フリンジでお困りのFlatMasterユーザーの方がいらっしゃいましたら、 是非ご連絡下さい。 空間コヒーレンスで2次フリンジを消せる条件が揃っていれば、 お持ちのFlatMasterで2次フリンジが映る事無く測定可能です! 最後まで見てくださった方々、ありがとうございました! -- F.N