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2014.01.30
D-0078. 干渉の条件 番外編①~空間コヒーレンス~ — FN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 干渉の条件 番外編①~空間コヒーレンス~ 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2014年1月30日号 VOL.078 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆様こんにちは。 (( メルマガ登録会員の皆さまは、エスオーエル名物「○○○ごと」をご覧頂けます! )) 今月は【干渉の条件 番外編①~空間コヒーレンス~】です。 先月のメルマガで干渉の条件についてお話しました♪ その続きということで番外編を作りました。 今回はUltraFlat(フォトマスク測定専用機)とFlatMasterが登場します。 干渉の条件第3では 参照平面とサンプルの間隔が狭いこと⇒空間コヒーレンスが近いこと とお伝えしました。確かに、参照平面からの反射光とサンプルからの 反射光がいくら平行光線であっても、お互いの反射光が遠かったら 干渉しにくいですよね??? では、どれくらい距離が離れたら干渉しなくなるのでしょうか? UltraFlatは、参照平面とサンプルの間隔(Gap)が10mm離れると干渉が 起こらなくなります。 UltraFlatの値を使って、FlatMasterではどれくらいgapが離れると 干渉しなくなるのか計算で出してみましょう♪ 図を想像していただきたいので、 弊社HPのFlatMaster Series/測定原理/[斜入射干渉計]をご覧くださいっ。 お時間があれば、実際に書いてみてください (・∀・;) まず求めるもの! それは参照平面とサンプルの間隔が10mmの時の参照平面からの 反射光とサンプルからの反射光の距離(=空間コヒーレンス)です! はじまりますよー 。゚+.ヽ(´∀`*)ノ ゚+.゚ レーザー光が参照平面を通過して、サンプル表面に当たる角度をθa、 レーザー光が参照平面に当たる角度をθbとします。 ここでスネルの法則登場です! → → → n・sinθ=n’・sinθ’ 皆様、見たことありますよね? n:プリズムの屈折率(1.5)、n’:空気中の屈折率(1.0)、θa:38° (縞感度S=0.4um/fringe)を代入します。 すると、θbが出ます。θbは24.23°ですね! サンプルからの反射光の参照平面との交点から参照平面からの反射光へ 垂線を伸ばします。 伸ばした垂線と参照平面の辺との間の角度はθbと同じになります。 知りたいのは伸ばした垂線の長さです。そのためには参照平面の辺の長さが わからないとだめですよね。。。ここで三角関数を使います。 参照平面の辺の長さの半分をcとします。 サンプルと参照平面の距離は10mmなので、θaを用いれば c=10×tanθa となりcが算出されます。cは7.813ですね。 伸ばした垂線の長さをyとすると、y=2c×tasnθbとなります。 cもθbも算出されているので、あとは代入するのみです! 結果、伸ばした垂線の長さyは14.249mmでした。 14.249mm以下の距離でないと、干渉は起こらないんですね。 ここ要チェックです!!! 参照平面からの反射光とサンプルからの反射光の距離が14.249mm以下であれば、 干渉することがわかりました。では、FlatMasterはどうなのでしょうか??? FlatMasterは縞感度(S)=1.5~8.0um/fringeに可変できます。 S=1.5um/fringeを使用した時は、サンプルへの入射光θaは78.82°なので θbは40.67°となります。 もし、Gapが0.2mmであれば、伸ばした垂線の長さyは1.406mmとなります。 ということは、Gapが2.0mmであれば、yは14.056mmとなり、UltraFlatから 算出した空間コヒーレンスとほぼ同じになります。 縞感度1.5um/frの時は参照平面とサンプルの距離が2.0mm以上離れると 干渉が起こらなくなるんですね。以外と離れても干渉は起こるんですねー。 ではS=8.0um/fringeでは???サンプルへの入射光θaは88.72°なので θbは41.77°となります。 もし、Gapが0.2mmであれば、伸ばした垂線の長さyは7.51mmとなります。 ということは、Gapが0.4mmの時に、yが15.02mmとなり、UltraFlatから 算出した空間コヒーレンスとほぼ同じになります。 サンプルの面状態によっても差はありますが、 1.5um/frと8.0um/frでは干渉が起きるためのGapがこんなに違うんですね。 参照平面とサンプルの距離はとーっても大事なのです。 干渉が起こらなくては、干渉計が使えませんから!!! 今日はいつもより長くなってしまいました。 今回も最後まで弊社メールマガジンを読んでくださった方々、 本当にありがとうございます! 今後も、メルマガを配信します♪ 楽しみにし下さいね☆★ 次回のメールマガジンにてお会いしましょう! -- F.N