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2016.02.24
D-0106. 干渉計の2つのSin — EN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 干渉計の2つのSin 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2016年2月24日号 VOL.106 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 営業の野中です。普段は第5週を担当しておりますが、 産休の社員のピンチヒッターとしてメルマガを 書いている社員のピンチヒッターに選ばれました。 ピンチヒッターのピンチヒッターです。 ...... さて話は変わりますが、 私は今まで、片道2時間かけて会社に通っておりました。 朝はまだ暗いうちに家を出るので、 とても寒く自転車のサドルが毎日凍っておりました。 凍ったサドルの自転車に乗り、電車に乗り、 仕上げはバスに乗って.... なんと!そんな毎日におさらばしました!! ほんの先々週、会社の近くに引っ越しをしたのです☆ 起きた時にはもう日が出ています。 サドルも凍っていません! 通勤の乗り物は自転車のみ.... 幸せ... その代わり、通帳の残高は あれ???という感じです。 ( 引っ越しはお金が掛かります。わかっていたはずです.... でも困惑しています(汗) ) 節約頑張ります!! さて、本題に入らせていただきます。 今日は2つのSinについて話します。 干渉の勉強をする際に、 このSin達が混同してしまったので、ご紹介します。 ------------------------------------------------------ ①レーザー光のSin波 光は波の性質を持っているため、レーザー光のSin波があります。 レーザー光は波の性質によって、干渉現象を起こします。 干渉計で言うと、同じ光源から出たレーザー光が、 参照平面で反射する光と、サンプルで反射する光に別れ、 反射した2本の光が干渉を起こします。 2本の光は一度、生き別れて別々の道を歩みます。 この間の歩んだ道の違い(=光路長差)によって、 再び一緒になった時の干渉の結果が 明るくなったり、暗くなったりするのです。 この光長差が波長の整数倍であれば (逆に言えば、光路長の中に波が整数個入れば) 再び一緒になった時には位相がぴったり揃うので明るくなり、 0.5倍、1.5倍 ... で位相が逆転するので、暗くなります。 息がぴったりだった2本(位相がそろっていた)が、 生き別れ、また一緒になった時に息がぴったりであるか、 そうでないかの結果なのです。 ②フリンジスキャンの干渉結果のSin関数 光路長を変化させ、明暗の繰り返しをさせることを、 フリンジスキャンと言います。 縞を走査させる...そのままです。 生き別れた間の道の違い = 光路長差と書きましたが、 光路長差を変える方法(フリンジスキャンの方法)には いくつかあります。 光路長は下記で定義されています。 ⇒光路長: 屈折率 n の媒体を光路に沿って距離 d だけ光が進行するとき, その積 nd つまり、光路長を変えるには n を変えるか、 d を変えればいいということになります。 通常の干渉計では、サンプルと参照平面の間の 「隙間(ギャップ)」をちょっとずつ変えて、 光路長を変化させています。 これは d を変化させていることになります。 隙間を変える以外にも、光路長を変えることが可能です。 斜入射干渉計であれば、入射角度を変えることによって、 光路長を長くしたり、短くしたりすることが可能です。 これも d を変えていることになります。 長い道のりを別々に歩んだということですね.... n を変えるのはどうでしょうか? 媒体を空気、水、ガラス ... に変えていくことは、 あまり現実的ではないと思います。 (これが実現できれば、一方は困難な道、一方は楽な道だったのでしょうか?) しかし、媒体を変えずに、 n を変えているのと同じ意味を持たせる方法があります。 レーザーの波長λを変えるという方法です。 屈折率 n の大きい媒体の中では、 光の進む速度は遅くなります。( 困難な道のりです ) 前からぎゅっと押されて負荷をかけられているかのようです。 すると、ばねが圧縮されたかのような振舞いをします。 つまり、押しつぶされて波長が短くなるのですです。(ちょうど圧縮率nで) よって、レーザー波長λを変えれば、 n を変化させている時と同じように振舞うということが分かります。 (光速は変わりませんが、フリンジスキャンでの振る舞いは同様になります。) ・d を大きくする ⇒ 光路長が大きくなる ・λを小さくする ⇒ 光路長が大きくなったかのようになる 同じ 1m でもハムスターにとってみればすごく長いけれど、 人間にとっては短く感じるというのと同じです。 これはハムスターの 1歩と、人間の 1歩が全然違うからです。 この1歩が波にとっての波長であると考えると、 干渉現象が理解しやすくなると私は思っています。 ここでやっとSin関数が出てきます。 光路長差が変わると、明暗の条件も変わりますので、 各ピクセル毎に、フリンジスキャンのステップ (隙間、あるいは角度、またはレーザー波長) と干渉結果の明暗の関係を表すSin関数が出来ます。 このSin関数を取り出して、隣のピクセルのSin関数と位相を比較します。 360°位相が違えば、縞感度×1 だけの高低差があり、 1°違えば、縞感度×(1/360) だけの高低差があるということになります。 ------------------------------------------------------ とても定性的なお話で、分かりずらい部分も多かったかと思いますが、 ご了承ください。 読んでいただけた方がいらっしゃいますと、とても嬉しいです!!! 来週は、定量的にお話し出来ればと思います。 -- E.N