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2016.03.30
D-0108. 縞感度の調整 — EN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 縞感度の調整 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2016年3月30日号 VOL.108 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。野中です!! 昨日今日で暖かくなり、ついに春がやってきたように思います。 お花見したいですね。今週末が見頃でしょうか。 わくわくします! 仕事の方では4月1日より、営業グループから営業技術グループに異動になりました。 3月中旬頃から徐々に技術のお仕事をさせて貰っています。 そこでつい最近、デモ機の縞感度を変更するミラーが動かなくなってしまい、 修理をしました。 今回は、この修理を通して感じた事を書きたいと思います。 縞感度はレーザーの入射角度で決まります。 その為、ミラーの付け直しを行うと、縞感度がずれてしまいます。 ミラーを修理、付け直し後、縞感度の調整を行えば、全て完了です。 お話ししたいのは、この縞感度調整のお話です。 FlatMasterでは、XRオプションまたはXRAオプションをつけることで、 縞感度を3段階に切り替えて測定が出来るようになります。 縞感度を変えられるメリットとしては、 鏡面~粗面まで様々な面状態の測定が可能になるという点です。 例えば、反射の得られやすい鏡面の測定では入射角度約78°の縞感度1.5umを使います。 逆に、反射の得られにくい粗面の測定では入射角度約88°の縞感度8umを使います。 入射角度が大きいほど、反射率が高くなる為です。 入射角度の変更は、第二ミラーとガルボという箇所の角度を変えることで行っています。 この第二ミラーの調整を行ったわけです。 目標縞感度は、1.5um、5um、8umの3段階!! 果たして……!? 1.5umはとっても簡単に調整完了! 縞感度の数値を大きくすればするほど、難しくなります… (縞感度を下げる方向が縞感度の数値が大きくなる方向です。) なぜでしょう? 答えは縞感度Sと入射角度θの関係を考えれば分かります。 その関係は以下の通りです。 S=λ/2cosθ (λ:レーザー波長) 縞感度は、入射角度のcosの逆数に比例します。 縞感度8umでは入射角度が約88°です。 cosカーブを想像していただければわかると思いますが、90°に近づくほど、 0に向かって急傾斜になっているのが分かります。 ちょうどカーブがマイナスの海に飛び込む直前のとっても勢いのある当たりです。 つまり、少しの入射角度の違いで縞感度は大きく変わってしまいます。 なので、縞感度が低いほど調整が難しいのです。 なんとか調整が完了し、装置の蓋を締めます。 自分の足の上に蓋を乗せ、干渉計に当たらないよう支えながら行います。 ん?んん??ネジが閉まらない!!13分程格闘しました… なぜだ!!!!!? でも自分で、自分1人で出来るようにならなくては! そんな想いで奮闘しましたが、ついに足が限界に…イタタタ (この蓋が重いんだ!!!泣) ついに、隣にいらした大先輩に助けを求めました。 大先輩「ネジ逆にまわしてるよ。笑」 私「笑→泣」 ネジの進行方向側に立ってネジを回す為、逆に回していたのです。(言い訳です) ふーーー 最後に、蓋を締めた後の縞感度とスペックを確認→OK! 無事に調整は完了です。お疲れさまでした。 結論!! 縞感度は大きくなるほど、反射率が高くなり、粗面の測定が出来ますが、 調整がシビアですので、校正原器でその日のその時の縞感度を出し、 その縞感度を使って解析を行うことはとっても大切です!! しかも、1分もあれば、この校正が出来てしまう FlatMaster は とっても優秀な装置です! 以上です。 お付き合いありがとうございました。 -- E.N