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2016.08.31
D-0115. MSPのダイナミックレンジと測定分解能 — EN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ MSPのダイナミックレンジと測定分解能 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2016年8月31日号 VOL.115 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 5週目担当です。 6月にメルマガを書いたばかりでしたので、安心しきっていたら、 なんと8月にも5週目があったとは.... ぎりぎりになって、焦って書いております。汗汗)) 今回は、FlatMaster MSP(以下MSP)という干渉計について 書きたいと思います。 MSPは、平面度、平行度、高さ(深さ)、 透明品であれば厚みも測定出来るマルチな装置です。 また、測定分解能は0.01um、データ点数は最大約78万点です。 高さに関しては、 MSP150という機種でなんと60mmまで測定出来ます。 分解能の6,000,000倍の高さを測定出来るということになります!!! 私も初めて計算してビックリしました...... 小学2年生が知っている最大の数字ではないでしょうか!!!? 小学2年生といえば、全速力で友達の周りをグルグル走り回って、 「俺の動きが早すぎて止まって見えるだろ?」なんて言いますよね? または、高速で右回転しているものが、 ゆっくり左回転しているように見えることはありませんか?? どちらもそう見えるだけで、 実際には早いものは早いし、右回転のものは右回転なはずです。 もし、小学2年生のA君がB君に向かって立っているとします。 そして、B君が瞬きをして、再び目を開けたとき、 A君は変わらずB君に向かって立っています。 瞬きの間にA君が高速で100回転していたとしても、 1回転しかしていないとしても、或いは0回転でも B君には、A君が止まっているようにしか見えません。 また、B君が瞬きをして目を開けると、 A君は先ほどより20°右に回転していました。 しかし、この間にA君は○○回と20°右回転していたかもしれないし、 ~~回と340°左回転していたのかもしれません。 B君にはA君が実際よりも ゆっくり回転しているように見えたかもしれないのです。 ただし、半回転(180°)単位で何回(半)回転したかA君に聞けば、 後は分度器を持ってきて残り何度分回転したかを測ることで、 持ってきた分度器の分解能で回転数(角度)を測定できます。 MSPは、これと同じ現象を利用することで、 0.01umという高分解能で最大60㎜の高さを測定することが出来ます。 MSPでは、レーザーの波長を約0.1nmずつ変えています。 すると、干渉縞は明るい、暗いを繰り返します。 ここでは、この繰り返しを明暗サイクルと呼びます。 明暗サイクルの速さは、測定する高さに比例します。 その為、明暗サイクルの速さを解析することで、 測定高さを求めることが出来ます。 しかし、レーザー波長を0.1nm変えたときに、 ちょうど1回明暗サイクルする高さと、 ちょうど2回明暗サイクルする高さは、 装置にとっては同じ高さにしか見えないはずです。 そこで、A君に何回転したか聞く代わりに、 2.1mm単位でだいたいの高さを装置に教えてあげることで、 0.01umという高分解能で、 最大60㎜の高さを測定することが出来るのです!! 今月もお読みいただき、ありがとうございました。 「ダイナミックレンジも、測定分解能も譲れない!」 というお客様がいらっしゃいましたら、ぜひお問合せ下さい!!!! -- 野中