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2017.05.31

D-0126. フリンジスキャンの3つの方式 — EN

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フリンジスキャンの3つの方式 
 
発行:エスオーエル株式会社 
https://www.sol-j.co.jp/ 
 
連載「知って得する干渉計測定技術!」 
2017年5月31日号 VOL.126 
 
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 
無料にてメールマガジンを配信いたしております。 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
 
 
 
こんにちは。 
熱くなってきましたね。 
 
私は先日甥っ子と一緒に千葉県の鴨川に行ってきました。 
甥っ子は初めての海に大興奮でした!!! 
今回は足だけでしたが、もっと暖かくなったら海水浴したいです。 
海と甥っ子の笑顔に癒された休日でした。。。。。 
 
 
さて、本題に移ります。 
今回は平面度測定機FlatMasterでも用いる、 
フリンジスキャンについてお話します。 
 
フリンジスキャンは干渉縞を連続的に流す技法です。 
 
メリットは測定分解能を上げる、 
高さの方向(凸なのか凹なのか)を知る、 
の2つです。 
 
また、フリンジスキャンを起こす方法は1つではありません。 
①Gap変動、②入射角度変動、③波長変動 などがあります。 
それぞれのフリンジスキャンについて考えてみます。 
 
 
フリンジスキャン中、ある1点のピクセルにだけに注目すると、 
明るい暗い、明るい暗いと連続的に干渉縞の明暗が変わります。 
これを全体で見ると干渉縞が流れているように見えるのです。 
 
 
ここで干渉縞を流し始めから終わりまで、 
明るい暗いを1サイクルとして、明暗のサイクル数をそれぞれ考えます。 
 
 全て斜入射方式で考えてみます。 
 参照平面の反射光と、測定面の反射光の光路長差の長さ(2・G・cosθ)は、 
  
 (1)始めは 
  2・G1・cosθ1=n1×λ1 
   
 (2)終わりは 
  2・G2・cosθ2=n2×λ2 
 
 (G1、G2は参照平面から測定面までの距離、  
  θ1,θ2は入射角度、n1,n2は波の数、λ1,λ2は波長) 
 
 
始まりから終わりまでの明暗のサイクル数はn2-n1で表せるので、 
 
明暗サイクル数Cは、 
  C=n2-n1 
   ={2・G2・cosθ2/λ2}- {2・G1・cosθ1/λ1} 
となります。 
 
 ①Gap変動では、θ1=θ2、λ1=λ2なので、明暗サイクル数Cは 
  C=2・cosθ1・(G2-G1)/λ1  
   
 ②入射角変動では、G1=G2、λ1=λ2なので、明暗サイクル数Cは 
  C=2・G1(cosθ2-cosθ1)/λ1 
   
 ③波長変動では、G1=G2、θ1=θ2なので、明暗サイクル数Cは 
  C=2・G1・cosθ1・(λ2-λ1)/λ1・λ2 
 
 
これらより、 
①はもともとの参照平面から測定面までの距離とサイクル数は関係なく、 
距離の変動分にのみ依存します。 
 
②、③は参照平面から測定面までの距離に依存してサイクル数が 
決まることが分かります。 
 
 
実際に、②、③はこの原理を利用して特殊な解析を行うことがあります。 
 
②は、FlatMasterの原理で、 
通常解析する参照平面と測定面の反射光による干渉縞と、 
透明品の表面と裏面の反射光による干渉縞(厚みムラが解析できる)を 
明暗サイクル数で分離して解析を行うことが出来ます。 
これをFFT解析と呼んでいます。 
 
③のθ1=0°(垂直入射方式)はFlatMaster-MSPの原理です。 
明暗のサイクル数が高さに依存することから、 
サイクル数を数えて高さを測定、解析することが出来ます。 
 
同じフリンジスキャンでも、フリンジスキャンを起こす方法の違いにより、 
その特徴を利用して異なる解析を行っています。 
 
 
以上、野中でした。 

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