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2017.08.30
D-0130. 回折の式と結像の基本 — FN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 回折の式と結像の基本 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2017年8月30日号 VOL.130 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 8月も最後の週になりました。 皆様はどんなお休みをすごされたのでしょうか? 私はお友達親子と一緒にグリーンセンターという 子供向け遊具があったり、 グリーンがたくさんある大きな公園に行きました☆ 子供はというと。。。よじ登れない遊具に登ろうとして頭から落ちたり、 水たまりに普通に座ったりと楽しんでおりました(-_-;) 楽しかったならなによりです。また行こうと思います。 それでは今月は『回折の式と結像の基本』についてのお話しです。 Corning Tropel社製の装置ではウェーハやフォトマスクの平面度を 測定することがあります。 ウェーハやフォトマスクは、半導体製造工程のフォトリソグラフィにて 重要な役割を果たす製品です。フォトリソグラフィでは、 投影露光装置を使用し、フォトマスクのCr薄膜上に刻まれた 微細なパターンをウェーハに転写してチップを作ります。 露光する時、 パターンがなければ、照射した光はそのまま透過します。 この光を直接光と言います。 パターンがあれば、直接光の他にパターンのエッジで発生する散乱光が 出てきます。散乱光はパターンの情報と形状に応じた角度分布をもっています。 ここ重要です。 結像とは、パターンの情報を持つ散乱光をウェーハ(像側)に導くことです。 従いまして、散乱光をとらえられず、直接光だけをとらえた場合には、 パターンがないのと同じになってしまいます。 直接光と散乱光同士、散乱光同士が干渉(回折)して角度分布を形成します。 ここも重要です。 ピッチ p の周期パターンに光が垂直入射した時、 回折光は下記の式で表されます。 p sinθ = m(λ/n) ここで、mは回折の次数、λは使用する光の波長、nは媒体の屈折率、 θは回折光の角度です。 この式から、ピッチ p を小さくすると、 回折光の角度θが大きくなることが分かります。 回折光の角度θを大きくしたくない(あるいは限界がある)ときには、 波長λを短くしなくてはなりません。 ピッチを細かくする(微細パターン)ためには、回折角度を広げ(高NA化)、 使用する光の波長を短くする必要があるんですね。 投影光学系において、結像するとは1点から様々な角度で射出した光線群が 結像系を通過した後に再び1点に集まるということです。 もし、微細パターンに対して、波長を短くしてもまだ 回折角度が大きすぎて、ウェーハに結像しなかったら、 なんの意味も持たなくなってしまいますよね。 従って、ウェーハ上に結像させることはとっても重要なのです。 今月はここまで 次回は11月に並木はお届けします。次回まで皆様お体にはお気をつけて! それでは、See you next time! -- 並木