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2018.02.28
D-0139. UltraFlat自動搬送機のPID制御 — FK
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ UltraFlat自動搬送機のPID制御 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2018年2月28日号 VOL.139 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆様こんにちは。営業技術グループの桑野です。 本日は自動搬送機付きの装置のお話をしたいと思います。 私もここ最近ではございますが、自動搬送機、所謂『ロボット』が付いている 装置を担当する機会が増えてきました。 ロボットが物凄いスピードで働いている姿には毎度ながら感心させられます。 アレ嫌コレ嫌とすぐ文句を言う私とは違い、24時間休みなしで働いてくれるわけです。 自動で動作するものをコントロールするには必ず『PID制御』がつきものです。 P、I、Dとはそれぞれ Proportional(比例要素) Integral(積分要素) Differential(微分要素) の頭文字を取ったものです。 つまり、これら3つの要素を組み合わせて制御を行います。 PID制御の式は以下です。 u(t) = Pe(t) + I∫[0,t] e(s) ds + D(d/dt)e(t) u(t):出力(ある時刻tでの操作量) e(t):現時刻での偏差 P:比例要素の定数 I:積分要素の定数 D:微分要素の定数 これらの3つの項について、弊社取扱いのUltraFlatにおけるフォトマスクの ハンドリングを例に説明します。 ロボットはフォトマスクを掴んでいる状態です。 これから測定ポジションに搬送する時を考えます。 測定ポジションまでフォトマスクを搬送する時、 その距離(目標値までの偏差)が大きいほど定数Pの影響は大きくなります。 出力が目標値(測定ポジション)に対して足らない場合は、入力を大きくし、 近付くにつれてロボットアームの動作が遅くなっていきます。 次に、Iは定数Pだけでは制御しきれないオフセット調整の役割を果たします。 偏差の積分なので、P制御だけでは足りなかった誤差(定常偏差といいます)を 足し合わせてオフセット調整し、目標値に近づけようということです。 これだけでもロボットは測定ポジションまでフォトマスクを運ぶことができそうですが、 更に3つ目のD制御を加えることで、目標値までの到達時間を改善することができます。 P制御によって勢いよく測定ポジションまでフォトマスクを運びますが、 通り過ぎてしまい、再度目標値に戻ろうと、行ったり来たりの振動が起こり得ます。 偏差を微分することで近い未来の偏差がどうなるか予測することができます。 それにより、急激な変化にも対応でき、行き過ぎによる振動も抑えることができます。 単純にフォトマスクを掴んで指定した場所に運んでいるだけではなかったのですね。 ロボットに対して、見方が変わってきましたね。 弊社が取り扱うCorning Tropel社の装置ですと、自動機付きの装置は以下が該当します。 ・UltraSortII(ウェーハの平面度測定機) ・UltraFlat(フォトマスクの平面度測定機) ・UltraFlat-EUV(EUV用フォトマスクの平面度測定機) 測定量が増えてきて、自動機を検討されているお客様は是非弊社までご連絡下さい。 今月も最後までお読みいただきありがとうございました。 来月も宜しくお願い致します。 -- 桑野