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2021.06.23
D-0171. 屈折の法則 — H.S
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 屈折の法則 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2021年6月23日号 VOL.171 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは、営業技術グループの佐々木です。 今回も日々の学びをOutputする貴重な機会として、 情報を発信したいと思います。 普段の計算で当たり前のように使用している公式について、 原理を理解しなければ実際の業務で応用できないと日々実感しております。 そこで今回は、スネルの法則の導出をし、 光がなぜ曲がるか考えていきたいと思います。 屈折率 n から屈折率 n’のガラス面へ 入射角度θで入射する平行な2つの光線を考えます。 (これらの光線は、入射する平面波の波面に垂直な線です。) 一方の光線がガラス面に到達した点を O として、 点 O を含む波面がもう一方の光線と交わる点を P とします。 その後、点 P からガラス面に到達した点を Q とし、 その間にガラス中を進んだ光の位置を点 R とします。 それぞれの線 PQ と線 OR は、同じ時間Δt で光が進んだ距離ですが、 媒質が違うので進む速度が異なります。 速度が異なるとことで、光は屈折角度θ’に折れ曲がります。 線 PQ での速度を v とし、線 OR での速度を v’とすると、 線 PQ と線 OR の距離を以下の式で表せて、 PQ = v Δt --(1) OR = v’Δt --(2) となります。 また、共通の斜辺である線 OQ は、2つの直角三角形に着目し、 ∠POQ = θ と ∠OQR = θ’を使って、それぞれ表すと、 OQ = vΔt / sinθ --(3) OQ = v’Δt / sinθ’ --(4) となります。 そして、(3)と(4)を合わせると、 v / sinθ = v’/ sinθ’ なので、 v / v’= sinθ / sinθ’ --(5) となります。 この速度の比 v / v’を屈折率の比 n’/ n とすると、 式(6)となり、スネルの法則が導出できます。 n’/ n = sinθ / sinθ’ --(6) つまり、 n sinθ = n’sinθ’ となります。 この導出を行うことで、光が曲がるイメージを持つことができます。 式のみを覚えていただけでは、 入射角度が大きくなった際に屈折角度も大きくなることに対して、 スネルの法則で求めた結果で大きくなるとしか回答できませんでした。 原理や式の意味を考えることによって、 屈折率が n < n’であれば速度は v > v’で、PQ > OR となるので、 光が屈折することが納得できます。 また、入射角度が大きくなったときの変化も 図で考えることができるようになりました。 スネルの法則の導出は光学の入り口に立っただけではありますが、 式の意味を考えることは仕事で必要な応用や 物事を考える力を身に着けることにつながると思いますので、 今後も日々の思考を怠らないように精進しようと思います。 今回は以上です。。 最後までお付き合いいただきありがとうございました。 -- H.S