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2021.07.21
D-0172. FlatMaster – 2次フリンジのSensitivity — E.N
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ FlatMaster - 2次フリンジのSensitivity 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2021年7月21日号 VOL.172 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。営業技術の野中です。 いよいよ緊急事態宣言の中、 東京オリンピックが開催されますね。 私の娘は、保育園のお散歩中に、 聖火リレーを遠くから眺めたそうです。 実際には走行者は見えず、 その周りで「大人たちが群がっているのを皆で見ました。」と、 連絡帳で知りました。 やはり、オリンピックは人を集めてしまうようです。 新型コロナウィルスの流行が無ければ、、、 そんな光景をただ微笑ましく思い浮かべ連絡帳を眺めたと思います。 最近、透明品を測定する機会が多いので、 FlatMasterの2次フリンジのSensitivityを計算してみます。 透明品でない場合、 参照面とサンプル表面からの反射光による干渉縞が現れます。 これを1次フリンジと呼んでいます。 それに加えて、透明品は サンプル表面とサンプル裏面からの反射光による干渉縞が現れます。 これを2次フリンジと呼んでいます。 2次フリンジは、参照面の代わりに裏面を基準としていますので、 厚みムラ(TTV)の解析に使用出来ます。 1次フリンジの Sensitivity (S1) は、 S1 = λ/(2 cosθ) ---------------------- [1] (λ:光源の波長、 θ:サンプル表面への入射角度) です。導出は、 連載「知って得する干渉計測定技術!」2009年4月10日号 VOL.003 https://www.sol-j.co.jp/mailmag/d-0003.html にありますので、割愛します。 屈折率nの媒質を通る光の波長λ’は、 λ’ = λ/n ---------------------- [2] また、スネルの式より、 1×sinθ = n×sinθ’ -------------------- [3] (θ’:サンプル裏面への入射角度) 2次フリンジの Sensitivity (S2) は、 [1] のλをλ’に、θをθ’に置き換えればいいので、 S2 = λ’/(2 cosθ’) = λ/(2n cosθ’) -------------------- [4] そして、 cosθ’= √(1 - (sinθ’)^2 ) なので、[3]より、 cosθ’= √(1 - (sinθ/n)^2 ) ------------ [5] [4]、[5]より、 S2 = λ/(2n √(1 - (sinθ/n)^2) ) = λ/(2 √(n^2 - (sinθ)^2) ) --------- [6] また、 sinθ = √(1 - (cosθ)^2) なので、[6]は、 S2 = λ/(2 √(n^2 + (λ/(2×S1) )^2 - 1) ) ---- [7] となります。 FlatMaster の波長 λ は 0.635μm です。 1次フリンジの Sensitivity (ソフトウェアが校正により計算) と、 透明品の屈折率を [7] 式に代入すれば、 2次フリンジの Sensitivity が求められます。 例えば、S1 = 1.8μm/fr、n = 1.5 の時、 2次フリンジの Sensitivity は 約 0.28μm/fr と計算出来ます。 今回はここまでです。 最後までお付き合い頂きありがとうございました。 暑い日が続きますが、お身体にお気をつけて、 良い連休をお過ごしください。 -- E.N