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2021.11.17
D-0176. UltraSort-II 及び SemiAutoWafer の厚み測定 1/2 — E.N
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ UltraSort-II 及び SemiAutoWafer の厚み測定 1/2 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2021年11月17日号 VOL.176 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 冒頭に、少しだけ子育て日記にお付き合い下さい。 前回、娘の喃語について書きましたが、 ついに『ママ』と言ってくれるようになりました。 『ママ』と言われると嬉しくて、全てを許してしまいます。 『ねんね』、『わんわん』、『にゃんにゃん』も覚えました。 『うん』と返事をしたり、『いやっ』と意思表示もするようになりました。 『いないいないばぁ』の『ばぁ』部分も言えるようになり、 人間らしくなってきてとても楽しいです。 母からは以上です。 今回は、UltraSort-II (以下US) や SemiAutoWafer (以下SAW) の Thickness測定について、説明したいと思います。 長くなるので、2回分のメルマガで説明しようと思います。 一気に読みたい方がいらっしゃいましたら、 年をまたいでしまいますが、次回2022/1/19までお待ちください。 最近ありがたいことにUSのお問い合わせを多くいただいております。 USのメインの測定項目はウェーハの平面度、厚みムラ等です。 これらの測定項目は、位相差解析という手法で解析しております。 一方で、Thickness測定は、平面度、厚みムラと同時に測定出来ますが、 解析手法が異なります。 入射角度を微小に変更しフリンジスキャンを行っているUSでは、 干渉縞のフリンジスキャンスピードは参照面(プリズム)と 測定面の距離(=空気層の厚み)に比例します。 USは直接Waferの厚みを測定する事は出来ませんが、 [1] 参照面からWafer裏面(=チャック表面)までの距離と、 [2]参照面からWafer表面までの距離が分かれば、 これを引き算して、Thicknessを計算出来ます。 以下にThickness測定の流れを細かくご説明します。 【Thickness測定の流れ】 [1] 参照面からWafer裏面までの距離を把握する。 測定時、Wafer裏面と参照面の距離は、 測定ウェーハの厚み+ウェーハと参照面の距離となります。 Wafer裏面の位置は、 入力されたNominal Thickness(以下NS)、Nominal Gap(以下NG)に従い、 決まります。 チャックの位置を動かしているのは3本のアクチュエータです。 NT+NGを目標にしても、ピッタリNT+NGとはなりませんので、 実際に測定してみる必要があります。 しかし、ここで問題があります。 チャック表面をNT+NGの位置で測定する事は、ほとんどの場合不可能です。 例えば、NT=650um、NG=200umとすると、 プリズムからチャック表面までの距離は950umです。 950um離れていると、斜入射干渉計のため、干渉縞は薄くなりますし、 横ずれを起こしてカメラからフレームアウトしてしまいます。 そのため代わりに以下を行います。 まず、キャリブレーションデバイスとプリズムまでの距離=NGの位置で、 距離を測定します。 次にNG+40um、NG+80um、NG+120umの位置で、各距離を測定します。 これらから、キャリブレーションデバイスと プリズムまでの距離と位置との線形関係が求まりますので、 NG+NTの位置での距離を計算できます。 これは、USでThicknessキャリブレーションと呼ばれているのもです。 実際には、Thicknessの校正というより、 アクチュエータ位置のゲインとオフセットの校正をしていることになります。 ウェーハ裏面とプリズムの距離 = チャック表面とプリズムの距離 ≠ キャリブレーションデバイスとプリズムの距離 なので、上で求めた、キャリブレーションデバイスとプリズムの距離から、 ウェーハ裏面とプリズムの距離を求める必要がありまます。 これは、キャリブレーションデバイス表面とチャック表面が どのくらいズレているかが分かれば良いことになります。 チャック表面も、距離=NGの位置で測定し、ずれ量をオフセットさせれば、 ウェーハ裏面とプリズムの距離が計算出来ます。 この計算はChuck Reference キャリブレーションという、 干渉計とチャック面のエラーを校正(補正データを作る)する際に ついでに行われます。 [2] 参照面からWafer表面までの距離を求める。 [3] Wafer厚みを計算する。 Wafer厚み=『参照面からWafer裏面までの距離』-『参照面からWafer表面までの距離』 ですので、[1]と[2]の結果からWafer厚みが計算出来ます。 では、そもそも空気層の厚みをどのように測定しているのか、 の部分の説明をしたいのですが、長くなりますので、今回はここまでです。 続きは1/19分のメルマガになります。 ということですので、皆様今年は大変お世話になりました。 寒くなってきましたが、お体にお気をつけて、よい年末、新年をお迎えください。 -- E.N