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2022.10.19
D-0187. UltraSort-II の搬送部の構成と特徴について — H.S
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ UltraSort-II の搬送部の構成と特徴について 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2022年10月19号 VOL.187 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは、営業技術グループの佐々木です。 今回は、ロボット部分の各部品の仕様について 話していこうと思います。 UltraSort-II はウェーハ用平面度測定機の自動機モデルで、 以下の仕様となっております。 ・対応サイズ:4~8inch ・測定項目: -吸着測定:TTV, LTV など -非吸着測定:SORI, BOW, WARP など -厚み、ストレス解析、表面うねりなど ・対象ウェーハ: Si, サファイア, SiC, GaN, 酸化ガリウム, LT, LN, GaAs, InP, 水晶, ガラス, セラミック など ・保持方法:基板水平保持 また、搬送部であるロボット部分は 以下の構成となっております。 1.)カセットステーション:各ウェーハサイズ用のカセットステーション 2.)End Effector:ウェーハ搬送用の吸着ハンド 3.)スキャナー: カセット内ウェーハ有無の自動検知機能 4.)プリアライナー: プリアライメント機能 オリフラまたはノッチの位置合わせ ウェーハ中心の位置合わせ 今回は搬送部のそれぞれ仕様について、 少し詳しく書いていこうと思います。 1.) カセットステーション及びカセット: 4~8インチウェーハ用のカセットを 乗せることができるカセットステーションで、 標準はカセットを4個設置できます。 ※オプションで8個、12個、16個が可能です。 メーカー推奨のカセットの型番と特徴は以下の通りです。 ・4インチ型番:PA72-40BM ・6インチ型番:PA182-60MB-61C002 ・8インチ型番:PA192-80M-61C002 ※お客様ご指定カセットの使用を希望される場合、 メーカーに確認いたします。 ・材質:カーボンパウダーポリプロピレン ・価格:比較的安価 ・耐熱温度:40~60℃ ・特性:耐アルカリ性 柔らかい 材質である「カーボンパウダーポリプロピレン」は黒PPと呼ばれ、 PPに帯電防止材料として、カーボンパウダーが含まれております。 本来プラスチックは導電性が悪く、 ウェーハの帯電の要因となってしまいます。 カーボンパウダーにより電気抵抗を減らすことで 「帯電防止」目的として、 「カーボンパウダーポリプロピレン」が使用されております。 2.) End Effector: ウェーハ搬送用の吸着ハンドとなっており、 ウェーハ裏面吸着による搬送を行います。 4~8inch用の小さなハンドと 6,8inch用の大きなハンドの2種類があります。 小さなハンドでも8inchまでの搬送が可能ですが、 大きなハンドの方が安定度が高く、 6,8inchのみの測定を目的としている場合は 大きなハンドを推奨しております。 材質はアルミとなっており、 「金属汚染」と「傷防止」の為、 ウェーハ接触面に「テフロン皮膜」が付いています。 「テフロン皮膜」のメリットは、 摩擦係数は非常に低くく、傷防止には非常に適している点です。 しかしウェーハ搬送におけるデメリットとして、 絶縁性が高く帯電はしやすくなっている点があげられます。 End Effector の帯電防止対策については、 イオナイザーを使用しています。 3.)スキャナー: カセット内ウェーハの自動検知機能で、 以下の機能を持っています。 ・カセット内のウェーハの有無 ・クロスウェーハの有無 スキャナーは透過センサーになっており、 センサーの値の閾値を超えるとウェーハがあると認識します。 また、センサーの値の変化の時間をみて、 クロスウェーハ(スロットに斜めに入っているウェーハ)が ないかどうかを確認しています。 4.)プリアライナー: ウェーハのプリアライメント機能 となっており、 以下の機能を持っております。 ・オリフラまたはノッチの位置合わせ ・ウェーハ中心の位置合わせ プリアライナーは光源とCCD素子を使用した 非接触輪郭検出式となっており、 ウェーハの保持部分の材質はPEEKとなっています。 プリアライナーの仕組みについては、 光の吸収波長を踏まえて、以下の記事で触れております。 興味のある方は是非、読んでみてください。 → D-0183. 光の吸収波長についての体験談 https://www.sol-j.co.jp/mailmag/d-0183/ 各仕様についての説明は以上です。 どれも安全にウェーハ搬送をするために 考えられていることがわかります。 少々長くなってしまいましたが、今回は以上です。 最後までお付き合いいただきありがとうございました。 -- H.S