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2023.02.15

D-0191. レーザー側での入射角変化の影響 — N.T

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レーザー側での入射角変化の影響

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp/

連載「知って得する干渉計測定技術!」
2023年2月15日号 VOL.191

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



みなさまこんにちは。
営業技術の田中です。

最近出張多めだなと思い、ふと数えてみたら、
この半年間自社に出社した日数よりも出張作業日数の方が多かった様です。

確かに埼玉で出社した頻度は少なかった様に感じますが、
リモートワークが普及した昨今ではもしかするとこの感覚は
平均的な程度なのかもしれません。

ありがたいことに年内も新規立上のご注文を多く頂いており、
色々な地域へ出張に行くのが楽しみです。

年内はなかなかに予定が多く、
直前での日程調整が難しい場合もございますので、
作業のご依頼のご予定があるお客様はお早めにご連絡下さい。



さて、以前のことですが装置の輸送を行った際に、
振動によりねじの一部が少し緩んでいるという事がありました。

幸い装置調整への影響は特にありませんでしたが、
その様な振動や衝撃によるねじの緩みが光学系に関して発生した場合には
どの程度影響を及ぼすのでしょうか。

一例として装置内部で0.1°ミラーの角度が変わってしまったと
仮定して縞感度の変化を計算してみました。

関連した以前のメルマガで分かりやすい図を掲載しておりますので、
よければこちらもご参照下さい。

  D-0169. プリズムと参照面における入射角度と反射率 -- H.S
    https://www.sol-j.co.jp/mailmag/d-0169/

上記のメルマガと同様に各角度、屈折率は下記の通りとします。
  θ1:参照平面における入射角[°]
  θ2:参照平面における屈折角[°]
  θ3:プリズム表面(光源側)における屈折角[°]
  θ4:プリズム表面(光源側)における入射角[°]
  n1:空気の屈折率[-]
  n2:プリズムの屈折率[-]

スネルの法則とプリズムの底角が45°であることから
各角度の関係は下記の様に表されます。
  n2・sinθ1 = n1・sinθ2
  n1・sinθ4 = n2・sinθ3
  θ1 = 45°? θ3

また縞感度 S は下記の式で表されます。
  S = λ/(2・cosθ2) [μm/fringe]

ミラーの角度が0.1°変わった場合、
プリズムへのレーザーの入射角θ4は0.2°変化します。

4.0μm/fringeで使用していた場合には上記の式からθ4は5.03°となりますが、
これが5.23°となった場合には縞感度は3.0μm/fringeとなります。

また逆にθ4が4.83°となった場合には縞感度は9.1μm/fringeとなり、
恐らく像の薄さや欠けにより測定が行えない状態となってしまいます。
	
こんなにも光学系がずれる状況はまず無い様に思いますが、
tan(0.1°)・50[mm] = 0.087[mm]
程度と考えるともう少し小さいずれなら簡単に起こりそうにも思えます。
装置カバーの締め方で縞感度が若干変化することも納得です。

この様な問い合わせを頂くことがあまり無いということは
衝撃を与えずご使用頂いているということですね。
みなさまいつも装置を丁寧に扱って頂いてありがとうございます。
今回は以上です。

--
N.T

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