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2023.05.17
D-0195. クリーンルームについて — H.S
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ クリーンルームについて 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2023年05月17号 VOL.195 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは、営業技術グループの佐々木です。 今回は、クリーンルームについて話していこうと思います。 先日、社内より古いパーティクルカウンターが出てきました。 40年前に製造された装置で、かなり年季が入っていましたが、 電源を入れてみると問題なく動作していました。 弊社の取り扱っているウェーハ用、フォトマスク用の 平面度測定機は半導体工場のクリーンルームや 工場の一画に設置されたクリーンブースに納めることが多いです。 弊社にもクリーンルームがあります。 (半導体工場のような立派なクリーンルームではありませんが、、、) お客様に納入する前には、 社内のクリーンルームにて、装置を立ち上げ、保管しております。 装置の保管環境を示すために、クリーンルームの洗浄度を このパーティクルカウンターで測ることがあったようです。 普段クリーンルームには入ることはありますが、 自分はこのクリーン度を測る装置を見たことがなかったので、 これを機に今回は、 普段出入りしているクリーンルームや半導体工場について、 基本的な情報を学んでみました。 まずは、クリーンルームのクラスについて確認してみました。 クリーンルームのクリーン度を表すクラス表示には、 大きく分けて以下の3つの規格があります。 ・JIS規格 → 基準体積である1m3中の粒径が0.1μm以上の微粒子数を10のべき乗で表した指数 クラス1~9に分類される (0.1μm以上の微粒子の数が1,000,000個の場合10の6乗なのでクラスは6) ・ISO規格 → 日本・米国・欧州中心に世界統一基準としての規格 基準粒子の粒径は0.1μmで基準体積は1m3中とJIS方式が取り入れられている ・USA規格 → 英国単位の場合0.5μm以上の粒子を基準とし、 1ft3中の粒径が0.5μm以上の微粒子数で表示します ⇒ 各規格によるクラス表示の基準を本文末に表で示します。 弊社のクリーンルームのクリーン度は、 クラス1000となっていますが、USA規格表示ということを知りました。 ISO,JIS規格ではクラス6になります。 また、どのくらいの大きさの粒子がどの程度クリーンルーム内にあるのか も知ることが出来ました。 平面度測定へのパーティクルの一番の影響は、 サンプルを保持するチャックとサンプル間にパーティクルが挟まることにより、 吸着測定の平面度の測定値が大きく出ることです。 普段見る測定値への影響から、 付着しているパーティクルのだいたいの大きさがわかりますが、 上記の表で個数が多いパーティクルの大きさには、心当たりがあります。 次にフィルターについて確認してみました。 パーティクルを清浄化するため、 クリーンルームでは、「HEPAフィルター」や「ULPAフィルター」と 呼ばれる高精度フィルターを用いています。 ・HEPAフィルター → 粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の捕獲率を持つもの として規定されています。 HEPAフィルターでは濾紙に直径1~10μm以下のガラス繊維を用い、 充填率は約10%で空隙は数10μmの構造になっています。 ・ULPAフィルター → 粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の捕集率を持つもの として規定されています。 上記のようなフィルターは、 IC製造用のクリーンルームでは、清浄な環境を維持するために、 清浄な空気の層流(ラミナーフロー)が 導電性の床面に向けてダウンフローで流れ続けています。 この空気の流れは、天井面に設置された、 前述のフィルターを通して清浄化されています。 外気からの空気にももちろんフィルターが用いられています。 クリーン度やフィルターについての役割については実際に聞いていましたが、 実際のパーティクルの大きさや、フィルターの捕集率を数値で知ると、 装置を設置する環境はかなり清浄化されていると感じました。 そう思うと測定に影響を及ぼすパーティクルは、 人間や装置から出てしまっているのでは、、、、と考えてしまいます。 そのため、弊社の装置や装置に付属するデバイスは、 ごみが出ないように念入りに清掃を行います。 少し長くなってしまいましたが、 弊社の装置を納める環境や装置を如何に綺麗にしなくてはいけないのか について、改めて学ぶことができました。 今回は以上です。 最後までお付き合いいただきありがとうございました。 -- H.S