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2024.01.17
D-0205.TTV測定の種類と操作— N.T
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TTV測定の種類と操作 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2024年1月17日号 VOL.205 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは、営業技術の田中です。 Tropelの装置でのTTV測定原理はいくつかありますが、 それぞれで測定時に行って頂く操作も異なります。 特に操作が複雑になる測定方法もございますので、 今回はそれらについてご紹介したいと思います。 まずはFMで最も多くのお客様にご使用頂いている 基本的なBackReferenceCalibrationがあります。 この方法では測定サンプルの厚みが変わるたびに、 対象のウェーハを使用しキャリブレーションを行います。 通常通りサンプルをセットして測定した後、 180°回転させて測定することで、チャックの傾きを算出し、 補正を行うことでTTVを測定します。 もしも測定の間でチャックの傾きが変わってしまった場合には その都度、再度キャリブレーションを行って頂く必要があります。 これに対し、最近の自動機(US2)や半自動機(SAW)では、 ギャップや傾きの調整が自動化されたことで、操作が簡略化されました。 あらかじめモーターキャリブレーションと呼ばれる操作を行うことで、 厚みが変わる度にキャリブレーションを行う必要が無くなっています。 実施する際に行って頂く操作は従来と同様です。 手動機のFM-Wもご使用頂いていたお客様からは、 操作が非常に楽になったというお声を頂きます。 また他にも最近新たに追加された高精度TTV測定がありますが、 この場合の操作もモーターキャリブレーションと概ね同様であり、 測定するサンプルの厚みが変わる度に行って頂く必要はありません。 TTV測定には、操作が大きく異なる方法がもう一つあります。 透明品の2次フリンジを利用したTTV測定です。 この測定方法は、チャックに吸着せずにTTVが測定でき、 傾きの補正が必要ありません。 またTTV測定ができる一方で、好ましくない 裏面反射の影響を除去できるという利点もあります。 特徴的なメリットのある方法ですが、 操作としては注意が必要になってきてしまいます。 サンプル内部を透過し、裏面から反射した光を利用するため、 あらかじめサンプルの屈折率や厚みが分かっている必要があります。 その上で2重に表れる2つの干渉縞の流れる速さを調整するために、 サンプルに合わせてギャップを調整する必要もあります。 この調整や設定を誤ると、欠落が発生したり、 場合によっては実際と異なるデータが表れる事もあります。 サンプルの種類が複数あれば、それぞれについて調整する必要があるため なかなかに手間のかかる測定になってしまいます。 またFMやSAW等で測定する場合には別の点でも注意が必要になります。 これらの装置は入射角が大きい(80°~程度)ことにより、 垂直入射に比べ反射率が高くなるため粗面の測定に強いことや、 反りの大きいサンプルでも測定可能な強みがありますが、 一方で2次フリンジが得ずらくなります。 2次フリンジが薄い場合には、干渉性(Coher値)の調整が必要になる場合や、 入射角の調整が必要になる場合もあります。 ご使用中の装置にこの機能を追加することも可能ですが、 メリットがある一方で測定が難しくなる測定方法のため ご導入の際には十分ご説明し、検証した上で、 運用できるようにサポート致します。 今回は以上となります。 暖冬と聞いていましたが、とはいえ寒さが厳しくなってきましたね。 みなさまもお体にはお気を付けてお過ごしください。 -- N.T.