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2024.03.20
D-0207.身近に潜む花粉と微分— E.N
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 身近に潜む花粉と微分 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「知って得する干渉計測定技術!」 2024年3月20日号 VOL.207 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 今年の3月は、寒くて雪が降ったり、 暑くて半袖で寝てみたりとおかしな感じです。 花粉も凄くて、鼻と目と顔と、、、 寒いのに花粉という2重苦です。 今年は例年より花粉が凄いな、なんて思っていたら 娘も花粉症のような症状が出始めました。 まだ3歳なのにかわいそうに、と思っていました。 そこに枯れかけの花が目にとまりました。 花はミモザだったのですが、 処分したところ娘も私も調子が良いです! 自ら花粉を呼び込んでいたようです。 娘よ、ごめんなさい。 皆さんも、お気を付けください。 最近、社内で微分や積分の重要性についての話が持ち上がりました。 そして、これも微分だなーと思った話がありましたので、お話します。 ノギスで、内径を測定する際の話です。 きちんと測定するには、 ノギスの内径の測定面を円弧に押し付ける必要がありますが、 測定面は幅を持つため、内径が小さいと、 円弧のカーブが大きく押し付けることができません。 内径が大きいと、小さい範囲では直線に近くなるので、 押し付けやすくなります。 このことによる、内径 D を測定する場合の誤差 δ は、 測定面の幅を w として、以下の式で表せます。 δ = D - 2 √{ (D/2)^2 - (w/2)^2 } = D [ 1 - √{ 1 - (w/D)^2 } ] w/D を 0 に近づけた時、 つまり、 D >> w の時にルートの中身が 1 になるので、 誤差 δ=0 となります。 内径が小さい時は w を小さくしないと誤差が大きいよ、 という事になります。 具体的な計算をしてみますと、 ノギスの内径の測定面の幅 w が 500μm である場合、 3mm の内径を測定するときの誤差は、約 42μm となり、 約 1.4% 小さく測定されます。 同じノギスで 15mm の内径を測定する場合には、 誤差は、約 8μm で、約 0.06% で済みます。 現実世界では、w を 0 にすることはできないです。 この例の場合、w を 500μm まで小さくしたわけですが、 3mm の内径を測定するのと、 15mm の内径を測定するのでは、 影響が異なるという事を実感しました。 -- E.N