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2024.07.24

D-0214.3つのベクトルを辺に持つ平行六面体の体積— E.N

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3つのベクトルを辺に持つ平行六面体の体積

発行:エスオーエル株式会社
https://www.sol-j.co.jp

連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」
2024年7月24日号 VOL.D-0214

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
干渉計による精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、
無料にてメールマガジンを配信いたしております。

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皆さんこんにちは。

突然ですが、娘は4歳になりました。

今はお医者さんごっこと歯医者さんごっこにハマっており、
気が付けは家に聴診器が6つあります。


ということで今日は、
平行六面体の体積についてお話しようと思います。

というのはこじつけでして、
今月がメルマガの担当だという事をすっかり忘れており、

何を書くか迷って過去のメルマガを読み返していたところ、
『 平行六面体と外積 』という記事が目に留まりました。

当時は、このメルマガを「ふーん」と
読み飛ばしておりました。

私は友達が少なく、これといった趣味もないため、
最近思うことがあります。

今は娘がいてくれるので良いのですが、
将来おばあちゃんになった時に、

暇を持て余す老後になり困るな、、、
という事です。


この問題を解決するために、
長く没頭できる趣味が欲しいと思いました。

そこで、数学ができたらな!
数学なら年を取って体がキビキビ動かなくても大丈夫!
と思うようになりました。


そう思って取り組むうちに、
3つのベクトル S、P、Q の3重積 『 S・(P×Q) 』 が、
平行六面体の体積を表すことを
頭の中でイメージできるようになりました。


自分で式をつらつらと書いている側の時は
気分が良くとてもすっきりしますが、
他人の数式を読んでいる側のときは頭に入りづらく
逃げたくなります。

そのため、この記事では、自己満足の数式の羅列ではなく、
式を最低限にし、イメージを文章の形で伝えることが出来るか、
チャレンジしようと思います。



まず、平行六面体とはなにかというと、
全ての面が平行四辺形で出来ている立体 です。
 
この平行四辺形がすべて正方形の特殊な場合には、
平行六面体 = 立方体です。

平行六面体の体積は、
『 [1] 底面の平行四辺形の面積 』に
『 [2] 底面から上面までの距離 』を
掛ければ求めることができます。

うっすい平行四辺形の板を少しずつずらして積層していくと、
平行六面体の出来上がりですので、
板面の面積×板厚×板の枚数=体積ですね。

板をずらせばずらすほどに、
底面と上面をつなぐ辺の長さは長くなっていきます。

しかし、どんなに板をずらしていっても体積は同じです。
うっすい板で考えると納得できます。

そして 板厚×板の枚数 は、
平行六面体の底面から上面までの長さで、
板面に対しては垂直な方向の長さですね。


つぎに、
問題の『 3つのベクトル S、P、Q の3重積 』というものが、
以下の式で定義されています。

  S・(P×Q) ---------------------(1)

これには、幾何学的な意味
『 3つのベクトルを辺に持つ、平行六面体の体積 』
が与えられます。

それはなぜか、確認していきます。


まず、P×Q が意味することは何かというと、
PとQ の外積、ベクトル積です。

P×Qはベクトルなので、
a)大きさ と b)向き を考えます。


a)大きさは、
PとQを辺に持つ平行四辺形の面積
(『 [1] 底面の平行四辺形の面積 』)と同じです。

b)向きは、
PとQを含む面に垂直で、
P(先に記述されるベクトル)をQ(後に記載されるベクトル)へ
回転とした時に(PをQにパタンっとした時に)、
右ネジが進む方向です。

これらは定義ですので、文句はつけられません。


P×Q=Vとしておくと、(1)は、

  S・V --------------------(2)

となります。


次に、S・Vについて考えます。
これの意味は、SとVの内積、
つまりスカラー積(方向をもたない)です。

これは、ベクトルSをベクトルVに
平行な成分S1と垂直な成分S2に分割した時、

Vに平行な成分の大きさと
Vの大きさ(つまり平行四辺形の面積)を
掛けたものです。

Vは、ベクトルPとQを辺とする平行四辺形に垂直ですので、
Vに平行なS1もこの平行四辺形に垂直です。

つまり、S1は『 [2] 底面から上面までの距離 』です。

(内積の場合、Vに水平でないSの成分のことは忘れます。)


ということで、式(2)は
3つのベクトル S、P、Q を辺に持つ平行六面体の体積である
ことが分かります。


長々と書いてしまいましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました。

感染症や熱中症が流行っているようですね。
お体ご自愛下さい。


--
E.N

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