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2016.05.04

E-0029. 身の回りのX線CT技術 — MN

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身の回りのX線CT技術 
 
発行:エスオーエル株式会社 
https://www.sol-j.co.jp/ 
 
連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 
2016年5月4日号 VOL.029 
 
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 
三次元測定機やアプリケーション例などをテーマに、 
無料にてメールマガジンとして配信いたします。 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
 
 
 
こんにちは。 
エスオーエルの永田です。 
 
5月になりました。 
本日はみどりの日。 
世間はゴールデンウィーク真っ只中です。 
 
今回も、 
身の回りの3次元測定機やX線CT技術の活躍についてお話ししたいと思います。 
 
先日、恐竜博へ行ってきました。 
恐竜関連の博物館へ行くのは20年ぶりくらいです。 
 
いつの間にか、恐竜の進化に関する仮説が変わっていて、 
非常に楽しめました。 
 
現在では、恐竜は鳥の祖先だったと考えられているようです。 
鳥と恐竜は多くの共通点があります。 
また、近年は羽毛を持った恐竜が見つかったそうです。 
 
絶滅の説については、 
隕石落下による、急激な地球環境の変化に適応できずに滅んだ説が 
最も有力のようです。 
というのも、メキシコに直径200kmのクレーターが見つかったそうです。 
東京から大阪までが直線で400kmなので、その半分です。 
隕石の大きさは直径10kmだったと考えられています。 
どうやって見つけたのでしょうか? 
 
恐竜の動きは、 
3D技術で再現されるようになりました。 
骨の大きさや形状から 
強度や、姿勢、動き、走る速さまでをシミュレーションできるようになりました。 
 
そして、恐竜の鳴き声までもがシミュレーションできるようになったのです。 
X線CTで恐竜の頭蓋骨をスキャンし、 
3Dプリンターを用いて頭蓋骨を再現したようです。 
 
発掘された古代のものを3Dプリンタを使って 
再現するということは前に聞いたことがありましたが、 
声も再現できるようになるとは驚きです。 
 
さて、 
TomoScopeだったらどう測定できるかを検討してみます。 
 
まず、測定する恐竜の頭蓋骨の大きさは、 
直径280mm×280mm程度だとします。 
 
一回のスキャン測定で測定できるサイズが最大φ150mm×150mmなので、 
ラスタースキャン(分割)測定により、4分割で測定します。 
ちなみにデータの大きさは2×2×2=8倍の大きさになります。 
 
続いて、鼻の下(吻の部分)の骨を倍率を上げて測定したい! 
という場合は、 
偏心トモグラフィ測定、ROI(局所)測定を併せて、 
倍率を上げて測定します。 
 
 
ROI(局所)測定とは、 
局所部分の倍率(分解能)を上げて測定する方法です。 
 
例えば、 
頭蓋骨全体を、ボクセルサイズ150μmで測定した後、 
鼻の下をボクセルサイズ30μmで測定する、という測定です。 
 
偏心トモグラフィ測定とは、 
TomoScopeの新しい機能です。 
 
測定する際は、サンプルを回転させますが、 
いままでは、 
その回転軸上に 
倍率を上げて測定したい箇所がくるように、 
サンプルを設置する必要がありました。 
 
偏心トモグラフィ機能を用いれば、 
その必要がなくなったのです。 
 
倍率を上げて測定したい箇所を、 
X線管とディテクタが追ってスキャンしてくれます。 
 
 
例えば、 
頭蓋骨を回転させる場合を考えると、 
回転中心は鼻の穴あたりにくるけれど、 
倍率を上げて測定したいのは、鼻の下である、 
という場合は、この機能が役に立ちます。 
 
非常に便利な機能です。 
 
もし、 
この部分の骨に交じりこんでいる 
骨とは違う物質を観察したいが、何だか像が鮮明ではない 
という場合は、 
ドリフト補正を用います。 
 
ドリフト補正の使い道ですが、 
実際の例では、繊維の測定に用いられたことがあります。 
実績としてφ8μmのグラスファイバーを測定したことがあります。 
 
恐竜を高倍率でスキャンしたら、 
今までの常識が覆るかもしれません。 
 
 
今回ご紹介した、 
 
・ラスター(分割)スキャン測定 
・ROI(局所)測定 
・偏心トモグラフィ測定 
・ドリフト補正 
 
は、いずれも、 
TomoScopeが三次元測定機をベースに作られているために可能である機能です。 
 
ゆえに、 
X線管やディテクタの位置、サンプルの位置を認識できるため、 
ソフトウェア面での補正だけでなく、 
ハードウェア面での補正ができるのです。 
 
 
残念ながら 
恐竜の骨の測定を受けたことはありませんが、 
 
もし、お持ちのワークで 
こんな風に測定できたら助かる! 
というものがありましたら、 
どうぞ弊社までお問い合わせください。 
 
 
本日はこの辺で。 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 


-- 
永田睦美 
 

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