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2016.09.07
E-0033. X線を利用した装置 — MN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ X線を利用した装置 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2016年9月7日号 VOL.033 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 三次元測定機やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 エスオーエルの永田です。 9月になりました。 葡萄や梨が美味しい季節になりました。 先日、本棚を整理していたら、 学生時代の実験ノートを発見しました。 当時は化学系の学科に所属しており、 無機材料の研究をしていました。 材料の研究なので、 物質の同定をするために、X線の装置を使っていたなーと 懐かしく思い出していました。 当時は、装置のことを、 得体のしれない物凄い機械、 と捉えていました。 ことろで、物質を同定するX線装置と、X線CTでは、 X線を使うことは共通していますが、原理が全く異なります。 今回はX線を利用した装置についてまとめてみたいと思います。 X線とは、原子に、 外部からエネルギーを与えることで発生する、 電磁波のことです。 物質を同定するために使われている装置は、 X線の回折を利用したものです。 結晶中の原子や分子は、規則的に並んでいるので、 そこに角度をつけてX線を入射させると、 入射波と散乱波の間で干渉が生じます。 特定の角度で、入射波と散乱波の角度が等しくなります。 この時の条件を、ブラッグの回析条件といいます。 この角度を用いることで格子間隔が求められ、 物質の特定ができるのです。 X線装置といえば、 空港の荷物検査で使われている、 あの検査装置もそうです。 この装置は、X線の後方散乱線の線量率の変化を検出しています。 線量率とは、単位時間当たりの放射線の空間的な量のことです。 後方散乱線の線量率は、物質に依存します。 つまり、荷物にX線を当てて、反射したものを検出して、 物質を特定しています。 これと透過法を合わせて用いることで、 麻薬やプラスチックの危険物を検出できるようになります。 X線装置といえば、 お医者さんにある、 あの検査装置もそうです。 健康診断や歯医者さんで 利用したことがある方も多いのではないでしょうか。 この装置は、 透過したX線の減衰を検出することで、 体内の状態を検査します。 TomoScopeもこの原理を使っています。 お医者さんでは、同じ向きで一枚だけ撮影しますが、 TomoScopeでは、360度どの方向からもレントゲン写真を撮影します。 産業分野では、 これら二次元のレントゲン写真を、三次元データとして生成させたものが、 よく使われています。 レントゲン写真が立体になった、 と考えれば分かりやすいと思います。 CADデータのように、 パソコン上でくるくる回したり、 断面を取得したり、 自由自在に形状を把握できるのです。 もちろん、内部のボイドやクラックの検出にも使われます。 学生時代に、 得体のしれないと思っていた物凄い装置も、 原理や構造が少しずつ明らかになってくると、 技術を積み上げた成果であることに気づかされます。 まだまだほんの一部をつまみ食いしたに過ぎませんが、 これらもX線CTの魅力を皆様に伝えられたらと思っております。 本日はこの辺で。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 -- 永田睦美 ☆TomoScope専門サイトはこちら☆