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2016.10.05
E-0034. X線管内のお話 — MN
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ X線管内のお話 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2016年10月5日号 VOL.034 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 三次元測定機やアプリケーション例などをテーマに、 無料にてメールマガジンとして配信いたします。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 エスオーエルの永田です。 10月になりました。 すっかり秋の気配が感じられるようになりました。 今年もまた、ノーベル賞の季節になりました。 大隅良典先生がノーベル医学生理学賞を受賞しましたね。 おめでとうございます!! 大隅先生は、オートファジーという、生物がタンパク質を分解し、 アミノ酸などの合成に再利用する、という現象の発見をしました。 この現象の解明により、 癌や神経疾患の治療法の開発に期待ができるそうです。 なんだかとてもワクワクしますね…! さて、 今回はX線管内のお話をします。 X線管内は真空になっており、 フィラメントから飛び出した熱電子達が、 ターゲット目掛けて飛んで行きます。 ターゲットに熱電子が衝突することで、X線が発生します。 熱電子がフィラメントから発生してターゲットへ衝突するまでは、 様々な障壁が待ち受けています。 熱電子はフィラメントを出るとまず、グリッドを通ります。 グリッドはフィラメントよりも電位が高くしてあり、 この電位差によって熱電子が飛び出すのです。 電流を制御するためには、この電位差を変えます。 こうして真空中に投げ出された熱電子は、 ターゲット目掛けて飛んで行きます。 ここで、浮遊物があると、衝突してエネルギーを失ってしまいます。 また、壁面にプラスに帯電したものがあっても、 電子は寄り道をしてしまいます。 被膜なんかあれば、帯電してコンデンサになってしまいます。。。 ターゲットへ当たる前に、熱電子はコイルの中を通って行きます。 ターゲットの適切な場所へ当たるために、向きを調節するのです。 収束させられた熱電子は、ついにターゲットへ当たり、 持っているエネルギーを、X線生成のために捧げるのです。 X線発生後は、アパチャーによって収束させられます。 こうすることで、光源のスポット径を小さくすることができます。 電子やX線は目では見えないので、想像するしかないのですが、 実際に何が起きているかを考えるのは、 なんだかとてもワクワクします…!! 本日はこの辺で。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 -- 永田睦美 ☆TomoScope専門サイトはこちら☆