メールマガジン・新着情報一覧
- TOP
- メールマガジン・新着情報一覧
- E-0035. DAkkS認証とVDI/VDE — MS
2016.10.19
E-0035. DAkkS認証とVDI/VDE — MS
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ DAkkS認証とVDI/VDE 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2016年10月19日号 VOL.035 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ こんにちは。 この連載は普段高鍋が担当しておりますが、彼女からのキラーパスを受け、 今回は私、営業の佐藤が特別出演です。 初めてのメルマガにぶるぶるしています。 難しいと大好評(?)の回もありますが、今回は複雑な式は出てきませんので、 ご安心ください。ややややこしいお話なだけです。 「ややややこしい」という言い回しは「ややこしい感」が見事に表現された 音感だなあと、読みづらさを承知でわざと使いました。 どうでもいい話が長くなってしまいましたが、 ずばり、今回のテーマはTomoScopeの精度保証についてです。 普段、TomoScopeはDAkkS認証を受けた唯一のX線CT装置です!と 声高らかにご説明していますが、その理由は少々複雑です。 まず、X線CTでの測定は、まだISOが整備されていません。 2020年の規格化を目指し、議論を進めているそうですが、 各国の主張を取りまとめるのに難航しているようです。 そこで、CTの世界を牽引しているドイツでは、 ISOに先駆け、VDI/VDE(ドイツ技術者協会)で独自に規格化しています。 それがVDI/VDE2630という規格です。 サファイアの基準球や、MKDNという27本のピンの先端にルビー球がついている デバイスなどを使って評価します。 ↓MKDNの写真はこちら↓ 寸法測定精度保証 MKDNはMulti sphere standard、フォレストゲージなどとも言われます。 ちなみに弊社ではマッチ棒、剣山、バースデーケーキなど、各々思い思いの あだ名で呼んでいます。 基準球やMKDNなどのデバイスは、それぞれWerth社の三次元測定機にて校正されます。 ※Werth社は校正や試験を行う技術的な能力があることを示すISO17025を取得しています。 TomoScopeもこのVDI/VDE2630にのっとり、 CTとしての精度確認テストを実施してから出荷されます。 ちなみに精度の4.5µmに対し、半分程度の実力でこのテストをクリアしています。 ただ、この規格は寸法測定用途のCTならTomoScopeに限らず、準拠しているはずです。 では、TomoScopeだけがDAkkS認証と謳っているのは何故でしょうか。 答えはTomoScopeはVDI/VDE2617にも準拠しているからです。 いよいよ、ややこしさが栄華を極めて参りました。 実は、VDI/VDE2617は三次元測定機用の規格で、ISO10360に対応しています。 TomoScopeはCTだけでも精度保証ができますが、 製造時は、まず三次元測定機として組み立てられています。 この時にグラススケールという低膨張ガラスでできた定規のような 基準器を使い、X軸、Y軸、Z軸の座標系をしっかり校正します。 つまり、三次元測定機としても精度を保証しているということです。 三次元測定機としてのセンサーはご注文が無ければ、取り外して出荷されます。 順序としてはこうです。 ①三次元測定機として組み立て、精度確認 (VDI/VDE2617準拠) ②X線管などCTの要素を追加、精度確認 (VDI/VDE2630準拠) ③三次元測定機のセンサー取り外し、出荷 そして最後にDAkkSは何かと言うと、ドイツの技術審査認定機関です。 例えば、先程登場したグラススケールという基準器は もちろん1つ1つ値付けがされている訳ですが、 それはPTBと呼ばれるドイツの国家計量所で行われます。 DAkkSは認定をする機関であり、認定に当たっての技術審査はPTBが担当という構図です。 DAkkSとしてはドイツ独自の規格に留まっているVDI/VDE2630を根拠に 寸法測定用CTと認証する訳にはいかないが、ISOにも準拠しているVDI/VDE2617に 準拠している三次元測定機がCTとしても精度に入っているなら良いだろうという訳で TomoScopeは唯一認められているのです。 いろいろと引っかき回しましたが、何が言いたいかと言うと 装置空間内の座標系、CTとしての精度のどちらもトレーサブルで、 安心してお使い頂けます!ということです。 トレーサビリティ体系図はこちらでご覧頂けます。 今週も最後までお読み頂いて、ありがとうございました。 -- 佐藤