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2018.05.16
E-0057. TomoScope XSとTomoScope Sの違い — MS
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScope XSとTomoScope Sの違い 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2018年5月16日号 VOL.057 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ごきげんよう。営業の佐藤です。 社会とは比較である。 私が1年程前から通っているホットヨガの先生の名言です。 いわゆるオネエっぽい先生なのですが、格言めいた発言が 度々出てくるので、どちらかと言うと説法を聞きに通っています。 「ヨガは人と比べるものではありません。体がやわらかいとか、 人よりすごいポーズができることが重要なのでは ありません。大切なのはいかに人のことを気にせずに自己と 向き合えるかです。他の人と違ったっていいんです。」 と先生はよく言います。みんな違ってみんないい。 金子みすゞもそう言っていますが、 オネエ系の先生が言うとぐっと説得力があがります。 社会とは比較であり、その社会から離れることが ヨガの醍醐味なのだそうです。 私は1年通っているのに一向に上達しませんが気にしていません。 とはいえ、私も読者の皆さんも社会の一員。 公私問わずさまざまなシーンで比較検討をしていると思います。 今日はTomoScope XS、TomoScope Sの 比較をしてみようと思います。 基本的には装置サイズと測定可能サイズの違いなのですが、 実はそれ以外にも違っているところがいくつかあるので ご紹介します。 ①X線遮蔽能力の違い XSは160kVまで、Sは225kVまでのX線管が搭載可能ですが これは装置がどの程度のX線まで遮蔽できるかという点に基づいています。 TomoScopeは完全にX線を遮蔽し、安全かつ、資格なしでも お使い頂ける装置です。装置は鉛のパネルで覆われていますが、 装置サイズごとにこのパネルの厚みが変わります。 装置重量がXSだと600kgなのに対し、Sになると4トンになって しまうのはこのためです。 (他に内部のグラナイト製テーブルの影響もあります。) ②搭載可能オプションの違い ①の最大管電圧が違うため、高出力でのスキャンが必須である MSP-CTはXSには搭載できません。 MSP-CTは複合材の時、金属に合わせた条件(高出力)でスキャン、 樹脂に合わせた条件(低出力)でスキャンし2つのデータから アーチファクトの少ないデータを生成する手法ですが、 この基となる2つのデータのスキャン条件は75kV以上離れてい る必要があることから最大管電圧が160kVであるXSには 搭載できません。 また、S以上の装置では装置内に専用のパレットを設置し、 ワークのロード/アンロードを自動で行うオプションをつけることが できますが、XSは装置内の空間が限られているため搭載できません。 ③開口部の違い TomoScope Sをお持ちのお客様や、弊社にデモご来社頂いたことが ある方は装置内部を窓からのぞいたことがあると思います。 TomoScope XSはTomoScopeの小型・廉価版でなるべくコストを 抑えるというテーマで開発されたため、窓がありません。 中の様子をご覧になりたいという場合は、オプションで中に カメラをつけることができます。 また、S以上の機種はドアは自動で開け閉めできますが、 XSは手動です。 ④メンテナンスの違い -開放型と開放モノブロック型― X線管の発生源は主に2種類あります。 1つが密閉型と言われるもので、X線発生源として必要なものが 1つのユニットになっています。頻繁なメンテナンスは不要ですが、 3年でオーバーホール、6年で全交換が必要です。 一方、開放管は消耗品(フィラメント)を交換できるため、 半永久的に使えるものの、3ヵ月に一度程度のメンテナンスが必要です。 モノブロック型は密閉型と開放型の良いところを受け継いだ 方式で、年に一度のメンテナンスで済みます。 10年間の運用コストを試算すると 密閉管>開放管>開放モノブロック型となります。 と今回は4つの観点からTomoScope SとTomoScope XSの違いを見てきました。 ここまでお読み頂いた方はお気づきかと思いますが、 やはりTomoScope XSは小型・廉価版としてミニマムに設計されていて S以上の装置よりも自由度が低いことは否めません。 ただし、仕様によってはS以上の装置の半額以下。 一般的に寸法測定用のCTは高価ですが、XSであれば観察用のCTと同じような 価格帯からなので、始めの一歩に最適ですね。 まずは導入編としてTomoScope XSをお使い頂いて、 X線CTの旨味を十分ご理解頂いた段階でS以上の装置をご検討頂くというのも 1つ、はたまた、TomoScope Sをミニマムな仕様でスタートし、 後からご状況に合わせてアップグレードしていくというのも1つの選択肢ですね。 最後に展示会のお知らせです。 来週5/23(水)~25(金)までパシフィコ横浜にて開催される 人とくるまのテクノロジー展に出展します。 10番のブースにおりますので、ご来場予定の方は お気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。 今週も最後までお読み頂きまして ありがとうございました。 それでは皆様ごきげんよう。 -- 佐藤