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2018.06.27
E-0060. CT測定条件の決め方 — AT
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ CT測定条件の決め方 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2018年6月27日号 VOL.060 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ お久しぶりです。営業技術の田井野です。 ご存知の方は少ないかと思いますが、 約3年前まで隔月で第一週のメルマガを担当しておりました。 最後のメルマガは、2015年11月4日号でした。 当時、”このメルマガが私が配信する最後のメルマガ” と お伝えしておりましたが、 様々な事情があり、また書くことになりました。 たまーに出現しますので、その時は お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします。 さて、本題に入ります。 今回は、”CT測定条件の決め方”についてお話しようと思います。 よくお客様から、”CTの測定条件ってどうやって決めたらよいの?” と質問を受けることがあります。 細かいところは置いといて、基本的には、 1. サンプルの大きさから、測定視野を決める。 2. サンプルの材質、厚みから、管電圧を決める。 3. 管電流、露出時間を調整し、明るさを決める。 に従って決めていきます。 3.について、少し補足します。 ここで言う明るさ、とは、 X線がサンプルを透過し、Detector側で検出されるX線透過画像の 明るさを指します。 サンプル部はX線が吸収されるので、透過画像は暗くなります。 空気部はX線を遮断するものがないので、透過画像は明るくなります。 透過画像の明るいところ(空気部)と、暗いところ(サンプル部)の差を BD(Bright-Dark)値と呼んでおります。 BD値は上限下限の推奨値があり、その範囲内であること、 また、BD値が小さいとサンプルと空気の境界が分かりずらくなる為、 大きくなるように設定することが必要です。 このBD値が条件出しにおいて重要なパラメータとなります。 BD値が一定であれば、他のパラメータが多少違っても、 ほぼ等しい結果が得られます。 実際に検証してみました。 用いたサンプルは、50mm視野に収まる単純形状の樹脂成型品。 サンプル内に円筒形状の穴が開いております。 測定条件は、管電圧/管電流/露出時間をパラメータとし、 条件1. 150kV/200uA/50ms 条件2. 130kV/200uA/66ms 条件3. 100kV/340uA/66ms の3条件でBD値は等しい。 上記3条件で3回繰り返しCT測定をし、 サンプルの長手方向の距離と、円筒穴直径の平均値を算出、 比較しました。 結果として、 長手方向の距離 条件1:19.979mm、条件2:19.978mm、条件3:19.976mm 円筒直径 条件1:3.020mm、条件2:3.020mm、条件3:3.020mm となり、測定差はTomoscope測定精度、 4.5um以内に収まっておりました。 結論として、どの条件でもほぼ等しい結果が得られました。 CTの測定条件出しに苦戦している方、 まずはBD値(明るさ)に着目してみてください。 以上、今回は、”CT測定条件の決め方”について お話しました。 それでは、今日はこの辺で。 最後までお付き合いいただき、有難う御座いました。 -- 田井野 展示会のご案内: 来月7/11(水)~13(金)、 人とくるまのテクノロジー展2018名古屋(ポートメッセ名古屋)に 出展します。 No.164のブースでお待ちしております。 ご来場予定の方はお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。