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2020.12.23
E-0101. TomoScopeのビット数 — E.C
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ TomoScopeのビット数 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2020年12月23日号 VOL.101 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTスキャンによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆さん、こんにちは。 営業技術の張です。 今回はX線CT装置のデータのビット数について話します。 X線で取得したデータには、 2Dの投影データと3Dのボリュームデータ2種類があります。 CTスキャンの際に、イメージセンサーでX線の透過画像を撮影しています。 撮影した画像は投影データと呼び、階調はイメージセンサーにより、 14bit或いは16bitの2種類が存在しています。 投影データを用い、再構成したデータはボリュームデータと呼びます。 ボリュームデータは16bitと32bitの2種類があります。 16bitは 2^0 ~ 2^16 まで、十進数で最大65536の階調を表現できます。 (16bit符号なし整数型) 32bitは -2^128 ~ 2^128 まで階調を表すことができます。 (32bit浮動小数点型) 十進数で概ね -3.402823×10^38 ~ 3.402823×10^38 の範囲です。 有効桁数は7桁あり、表示範囲は16bitの約10^34倍もあります。 一方、データのサイズは16bitの2倍になります。 実際に、二次元の投影データから三次元のボリュームデータを再構成する時、 14bitの投影データに対して、16bitの階調と有効桁数で十分です。 では、なぜ32bitも必要となるのでしょうか? 三次元のボリュームデータを表現するには、16bitも32bitもデータ容量以外、 ほぼ差がありません。有効桁数もどちらも5桁程度になっています。 しかし、三次元のボリュームデータを用いて、何か補正機能(EAK、MSP-CTなど)を 使う場合には、桁数が足りなくなってきます。 ソフトウェア内で掛け算・割り算を繰り返すと、データの桁数が増えます。 有効桁数が足らないと、打ち切り誤差や桁落ち誤差の原因になります。 32bitを使えば、有効桁数が増え、このような誤差を最小限にすることができます。 なので、スキャンのみの場合は、16bitに設定した方が良いですが、 補正機能を使う場合、32bitに設定した方が良いです。 但し、ボリュームデータの容量が重くなると、 寸法測定やプログラム処理に時間がより多くかかります。 データ容量を減らすためには、下記二つの方法を推奨いたします。 1. 32bitのボリュームデータを再度16bitに変換し、解析と寸法測定を行います。 最も有効な方法で、弊社でもよく使います。 2. Werthのデータ圧縮機能を使います。 Werthのソフトウェアでは、可逆符号化の圧縮方式で、 データの圧縮と復元が簡単に行えます。 圧縮率は測定データにもよりますが、大体50%~80%に圧縮できます。 特にPC容量が気になるのであれば、便利な機能だと思います。 それでは、今日はこの辺で。 最後までお付き合い頂き、有難う御座いました。 -- E.C