メールマガジン・新着情報一覧
- TOP
- メールマガジン・新着情報一覧
- E-0127. Werth装置における測定範囲の容積率 — E.C
2022.08.24
E-0127. Werth装置における測定範囲の容積率 — E.C
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ Werth装置における測定範囲の容積率 発行:エスオーエル株式会社 https://www.sol-j.co.jp/ 連載「測定の新常識!?SOLがお伝えするノウハウ!」 2022年8月24日号 VOL.127 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 X線CTによる精密測定やアプリケーション開発情報などをテーマに、 無料にてメールマガジンを配信いたしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 皆さん、こんにちは。 営業技術の張です。 いつの間にか、この会社に6年弱も勤めていました。。 エンジニアとして、知識と経験を積みながら、 大切な工具も少しずつ追加され、 工具箱もパンパンな状態になっています。 たまに整理してみようとして、何かを外に出すのですが、 もしかすると、これもいつかトラブル対応に必要かもしれない と思い、元に戻してしまいます。 エンジニアとしては、作業の効率を上げる為に、 小さい工具箱にできるだけ多くの工具を入れて、 どんなトラブルにも対応できるように準備したいのです。 なので、いつもドラえもんのポケットが羨ましいです。 小さいポケットに必要なモノが全部収納できます。 この、小さい体積の工具箱でより多くの工具を収納する能力は、 工具箱の容積率だと考えて、数値化できます。 工具箱の容積率 = 工具の体積の和 / 工具箱の体積 これは不動産の容積率に似ています。 不動産の容積率[%] = 100× 延床面積 / 敷地面積 敷地面積が一定の場合、 延床面積が大きい方が部屋が広く、ゆったりできます。 工具箱の容積率が高いと、持ち運びに便利なサイズの工具箱で、 想定外のトラブルにも対応できる多くの工具を入れることができ、 作業効率を上げられます。 さて、本題に入ります。 今回は、Werth社装置の測定範囲の容積率 についてお話したいと思います。 測定範囲の容積率は 装置のサイズに対する測定容積の割合のことです。 測定範囲容積率 = 測定容積 / 装置サイズ 既に海外では、これを重視する装置選定ポイントの一つとして、 比較されることが増えています。 人口密度が高い日本では、このポイントの重要度は、 より高いのではないかと考えます。 工場の生産性向上や省エネのために、 設備のダウンサイジングに取り組んでいる企業も多いです。 もちろんコンパクト且つ大きいサンプルを測定できる測定機が 一番理想ですが、使用目的により制約があるため、 簡単に比較ができません。 これから三次元測定機とX線CTの容積率の違いについて 少しお話します。 三次元測定機の場合、例えば VideoCheck の場合、 装置サイズが 1274×1300×1940 mm^3 で、 測定範囲が 400×400×200 mm^3 で、 測定範囲の最大容積率は 9.96×10^-3 になります。 但し、より複雑な寸法測定したい場合、 回転軸の追加や、より多くのセンサー (カメラ、スキャンニングプローブ、ファイバープローブ など) を搭載することが基本です。 このように回転軸やセンサーを追加すると、 測定範囲が小さくなります。 例えば、回転軸を追加すると、Y軸が 150mm が短くなり、 測定範囲が 400×250×200 mm^3 になります。 すると、測定範囲の容積率は 6.22×10^-3 になります。 実際に三次元測定機を選定する場合、殆ど専用のプロジェクトになり、 容積率よりはセンサーの種類、測定サイズ、スピードと測定精度が プロジェクトに合うかどうかが重視されます。 CT装置の場合、もうちょっとシンプルになります。 測定範囲は、検出器により変わります。 例えば TomoScopeXS の場合は、 装置サイズが 1300×1370×674 mm^3 で、 最大測定範囲が円柱の D 277 mm × L 149 mm で、 装置の最大容積率は 7.48×10^-3 になります。 TomoScopeXS PLUS の場合、 装置サイズが 1515×830×1485 mm^3 で、 最大測定範囲が円柱の D 289 mm × L 456 mm で、 装置の最大容積率は 16.02×10^-3 になります。 三次元測定機と比べて同じレベルですが、 寸法測定のCT業界では、かなりよい数値になっています。 CT装置を選ぶ場合、様々なサンプルを測定したい為、 電圧、スキャン時間、測定精度も重要ですが、 測定範囲の容積率も考慮されます。 今回はこの数字の良し悪しではなく、 このような計算方法があることを知って頂ければ良いです。 装置の選定に少しでもお役に立てば幸いです。 それでは、今日はこの辺で。 最後までお付き合い頂き、有難う御座いました。 -- 張